第457話 主の宿命


・二十四時間以内に百回山に登頂する。 100/100

・二十四時間以内に山に生息するモンスターを五十種、百体倒す。 247/50 2506/100

・二十四時間の山で生活する。 24/24

・合計四十八時間、山の中に滞在する。 27/48



 ただ今、山での生活を始めて二十七時間が経過したところだ。ログアウト時は時間が進んでいないらしいな。となると、前回はあんなに急がなくて良かったんだな。


 まあ、そりゃそうなのか。もしクリアできてなかったら是が非でもする為に連続でログインする輩とかでてくるだろうし、そうなると、規定に反するからな。俺もクリアできてなかったら、無理してでもそうしてただろうし。


 そんな中、何気なくステータス画面から修練メニューを眺めているとどうやらバグが発生しているらしい。モンスターの討伐数がおかしなことになっているのだ。


 さっき皆を解き放ったばかりなのに、、


「って、全員集合!」


 目の前に整列する従魔達を見ると、壮観だな。皆それぞれオーラを纏い始めて強者のそれになっている。非常に頼もしい限りだ。


 って、また横道に逸れようとしてたな。そうじゃなくて、


『モンスター討伐数に関してだ』


 ゴクリ、、、シーン


『お前ら……』


 俺が口を開くと、皆の目が輝き出した。どうだ? 頑張っただろう? 今にもそう言ってきそうな気配がヒシヒシと伝わってくる。


 あまりモンスターを倒しすぎるな、目立つな、と言いたいのだがそれが非常に憚られる雰囲気だ。皆、俺からの労いの声を、称賛の声を求めている。


『……良く頑張った。ありがとう』


 言えない、流石に言えない。これ以外言えないぞ、あんな目をされちゃ。目は口程にモノを言うとはよく言ったもんだよな。昔の人天才過ぎかよ。


 全く、ウチの従魔が少し優秀過ぎるな。これからは、全員一度に纏めてではなく、一人一人にしよう。そうすれば各個人の能力向上も図れるし、やりすぎ、目立ち過ぎも避けられるだろう。


 うん、取り敢えずキャンプしよう。後山に二十一時間くらいはいないとだからな。


❇︎


「修練メニュー達成を確認しました。称号のランクアップを開始します」


 よし、ようやくこの時が来たな。四十八時間も山に拘束とか、流石にきつすぎんだろ。だが、その分強い称号を手に入れることができるんならよしとしよう。おや、登山者のようすが……


「おめでとうございます! 登山者は山住人にランクアップしました!」



ーーー称号《山住人》を獲得しました。



《山住人》‥山での生活を一定時間行う。食料、水源、生き物の気配が分かるようになり、山での行動全般に大補正。


 ん、ん? んん??

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