第444話 一眼レフ?
それはほんの一瞬の出来事だった。
スカルとボーンの活躍と成長と努力について思いを巡らせ、これからの教育方針を考えている時だった。
突如、何者かが背後から襲いかかってきたのだ。俺のパッシブスキル状態では全く気づかなかったが、襲われた瞬間にその気配に気付いた俺は、スキルを全面的に展開し、その初撃を交わしつつ、スキルを発動した。
「【拘束】!」
俺は初めて感じる気配に、ほぼ無意識的にこのスキルを発動していた。後、何も情報がない状況だったから、何か情報を得ようとしていたのかもしれない。まあ、結果的にこれが良い結果を生んだ。
俺が拘束した相手を見ると、そこには、一つ目、いや、一眼を備えた人型機械があった。
「え、」
「対象ニ捕獲サレタ、自爆プログラムヲ起動」
「え!?」
ちょ、まっ、おい、今コイツ自爆プログラムって言った? 言ったよな? だって、チチチっていってるし、なんか機械の体が赤色になってきてる気がする。ヤバイ、どうしよ、何か止める方法はないか?
「あ、アイス!」
だが、時間がもう無い。俺は時間を加速してるからまだいいが、赤ちゃんのアイスに説明してる時間がない。こうなったら、
「【人魔一体】!」
なんだかんだ初めて使うスキルなんだが、こんな感じなんだな。アイスと一つになってるのが分かる。
って、アイス使える技多すぎだろ……全部氷技とはいえ、なんだよこれ、どこが赤ちゃんだ。だが今はそれどころではないな。軽めの氷魔法を使おう。
「アイスクリアー」
比較的に名前が温和なものを選んだつもりだったが、結果は俺の想定とは大きく異なるものだった。
俺が魔法を放つと、瞬時に相手の機体全てが氷で覆い尽くされたのだ。
「え?」
これじゃあ、アイスが前使ってたアイスコフィン並みじゃないか。何故これほどまでに威力が高いんだ? もしかしたら人魔一体していることで俺のステータスが影響して威力が底上げされているかもしれない。
まあ普通にアイスクリアーが普通にこういう技っていう可能性もあるけどな。この状態でアイスコフィンを使ったらその真偽は分かるだろうが、もし威力が上がってるのなら、怖いからやめておこう。
感覚を現実に引き戻し、目の前を見てみると、そこに赤熱したまま氷漬けにされてしまった機械が目に入った。先程は一度に色んなことがあって分からなかったが、よくよく見てみると面白い形をしている。
まず顔を見てみると、そこには一眼レフがついてる。まあ一眼レフといってもそのレンズだけだが、ごっついレンズがついてる。しかし、なんかあれだな、映画泥棒みたいだ。
そして胴体は意外と細い。スリムというか肉抜きされているというか。頭のゴツさに対して少し合っていない印象を受ける。
足にはタイヤがついており、手はどっかの星人みたいにハサミが付いている。
「うーん」
コイツ、全体的に手抜きされてないか?
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