第442話 影
目の前に突如現れた蠍の大群、そしてそれらに対峙することスカルアンドボーン。主な攻撃方法である拳はその硬い殻に阻まれ有効打足りえない状況である。
数の利も向こうにあり、このままではジリ貧かと思われたその時、
『『二位一体』』
コイツらの必殺技、二位一体が発動した。読み方は恐らく「にみいったい」なんだろうな。まあそれはともかく、この技は正にスカルとボーンを体現した技と言っても過言ではない。
もともと、一つの体に二つの魂が入っている状態の二人は、いつでも二人に分離することができる。つまり、一対一の場合は確実に数の利が取れるというわけだ。
しかし、この必殺技はまず、二人に分離しその後別れた先で独立して強化して再び合体することで、通常時に比べて単純計算で四倍にまでなることができるのだ。まあ、ステータスをしっかりみれば単に四倍になっているわけではないだろうがな。
つまり、火力が著しく増加することができるのだ。そして、それだけの火力アップを見込めれば、先ほどは固かった殻も今では発泡スチロールのように砕けていく。
更に、そこに加えて木属性を持っていること活かし、手足を木の枝のように伸ばすことで相手を巻きつき、束ね、絡みつかせることで数の不利を最小限に留めている。
うん、アスカトルとはまた違った意味で技巧派というか、万能型というか。素晴らしいぞこれは、最初こそは厳しい戦いになるかと思っていたが、今となっては二人の独壇場だ。
そしてそのまま、必殺技を出した勢いで相手を殲滅してしまった。
流石にスカルとボーンも俺らの二番手だ。侮るには些か強すぎたんだな。これからはもっと頼ってもいいかもしれないな。
よし、二人を強化しよう! 今回素晴らしい戦いを見せてくれたし、これからの期待を込めて、更なる戦力アップを図ろう。
苦戦する程の強敵を倒してその力を得ることができれば、強くなれるのは間違い無いからな。やるしかない。
「【強制進化】!」
「従魔:ダブルソウルダークツリーアポストル、個体名:スカルボーンが、ドッペルウデストアポストルに進化しました」
お、おー。もう種族に関しては一切ついていけてないんだが、名前からして強くなってるであろうこと、そして強そうであることはうかがえるのでよしとする。
まあ、今回の進化であの蠍の頑丈さを手に入れることができた筈だ。それによって拳に対して強い的にもある程度勝てるだろうし、勝てなくても二位一体をして倒すことがでにれば、このようにまた強くすればいいだけだからな。この二人はこうやって地道に強くして行こう。努力は必ず報われるからな。
報われるまで努力すればいいのだ。うん。
そんな風にスカルボーンに対して、熱血脳筋な教育方針を立てていた主人公の姿を見つめる二つの青い点があった。
ウィ、ウィーン
「記録……完了、捕獲ヲ遂行スル」
主人公と激突まで残り二秒。
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