第440話 幸福論
良い朝を迎えた俺は、今日が休日であることに感動し、そのままログインした。俺は基本的に朝ごはんは食べない派だ。
ログインすると昨日よりも少しだけ活気に溢れている気がして俺もテンションが上がった。今日は一日良い日になると、確信でた瞬間だった。
そして、俺は人気を確認し、ハーゲンを呼び出した。
『ハーゲン、お腹は空いてるか?』
『うっす! もうペッコペコっす!』
もう、ペッコペコって、どんな胃の容量と消化スピードだよ。まあ、ハーゲンなら胃袋が二、三個あってもおかしくはないがな。
『おし、それなら良かった。じゃあ今から港町に行くか、ハーゲンが好きな魚を食うぞ!』
『おー! マジすか!ありがとうございます!!』
うん、こんなに喜んでくれるのならば俺も主人冥利に尽きるってもんだな。まだなにもしてないが早く食わせてやりたい。
『よし、じゃあ行くか!』
『うっす!』
そんな高いテンションと、幸福感に包まれた中、俺はハーゲンに乗った。
そして、着いた。
……はやっ! 前よりもなんかスピード上がってないか? ハーゲンに乗るたびにハーゲンの速度が上がってるのは気のせいか? ま、まあ速度担当? のハーゲンがいくら速くなっても嬉しいことに変わりはないのだが、その成長速度に目を見張ってしまう。
「全員集ー合っ!」
今日はどうしてもテンションが上がってしまうな。良い日と確定しているだけに何をするにしても楽しいのだ。それに、従魔達皆俺の為に金卵を狩まくってくれたんだからな、それも嬉しすぎるのだ。
まあ、好意の返報性、って奴だか。今日はもう好きなだけ食べて欲しい。ギルドから下ろした金でありったけの食料とかもろもろを買ってきたからな。俺から細やかなお礼と思って欲しい。
『さあ皆、食え食え! 今日は宴だ!』
『『『『『『…………』』』』』』
あ、そうだ。元スケルトンのスカルボーン、アシュラ、ペレは食べ物を食べる必要がないんだ。後、アスカトルは虫の方が好きだろうし、デトは毒だな。アイスは冷たくて甘いものが好きだろうし……
よし、片付けよう。ハーゲン用の魚だけでいいや。
❇︎
『いやー、食ったっす! もう食えないっすよ!』
ハーゲンは俺が用意した魚とそれ以外の食べ物を全て片付けてくれて、更にはお店に陳列されていた魚達も片付けてくれたようだ。全くウチの従魔はできる奴だよな、本当優秀な配下に恵まれて俺は幸せもんだな。
やっぱり、一日の初っ端がいい気分だったらその日の幸せは確約されてることを改めて知った。これからは無理やりにでも思うようにしよう。
あぁ、今日は良い一日だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます