第420話 重大なお知らせ


 これから、ダンジョンを探しに行こう! と意気込んだのはいいが、今まで見つかっていないダンジョンというのはそれだけ見つけることが困難であると言うことだから、そう易々と見つけられるものではない。


 と言うことに探し始めて二時間後に気がついた。


 まあ、何も考えなしに飛び出したのが悪かったな。しっかりと作戦を練ってから行動すべきだった。そうだな、先ずは傾向と対策、をしよう。



 俺は受付の人にもらった地図を広げた。そこには第二の街を中心とした世界が描かれており、色んな場所にダンジョンが散りばめられている。第二の街周辺にあるダンジョンは全部で7つ。それぞれ等間隔とまではいかずとも、ある程度の間隔を開けて存在している。


「ふむふむ」


 もし、ダンジョンが運営によって意図的に配置されているとすれば、そこには人の手、人の息がかかっている為、その配置者になりきれば見つけられるかもしれない。


 しかし、ダンジョンが自然発生的に存在するものだとしたら、本当にこの地図だけを頼りに探していくほかない。ま、まあ先ずは運営になりきろう。


 第二の街を中心にして、東、西、南に距離は各々異なるが存在する。そして、八方位にはそれぞれ一つのダンジョンがある。もちろんこれらも街からの距離は違う。


 そして、街からの距離が最も近いのが南、遠いのが東のダンジョンである。


 これを鑑みると、俺が運営であるならば、北に置きたくなるだろう。なんせ、八方位の中でそこだけ欠けているのだからな。そしてもし仮に北にダンジョンがあるとするならば、今のところ街から同じ距離にあるダンジョンは一つとしてないため、すでに存在するダンジョンとはことなる距離にあるはずだ。


「うーん」


 でも、そんな安直な場所におくか? 俺が運営で、公開して置くならばそこに置くかもしれないが、わざわざ隠してダンジョンを配置するのだ、こんな俺がちょろっと考えて導かれるような場所におくとは思えない。


 じゃあ、どうする? 俺が運営だったらどうする? わざわざ隠すならどうする?


「うーん」


 俺ならもうちょっと遊びたくなるかなー。敢えて街に近い所に置いてみたり、ある程度ダンジョン同士が離れている中で、隣接させてみたり、そんなことをしたくなるな。


 そう考えてもう一度見てみると、一つだけ気になる点があるのだ。



 それは、東のダンジョンと北東のダンジョンが他のダンジョン同士に比べて少しだけ距離が近い気がするのだ。



 気のせいかもしれないし、ただの俺の考えすぎかもしれない。なんだろう何かある気もするし、無い気もする。


 一つだけ言えることは、何故か分からないが、俺がそこに行きたがっているということだ。



 よし、目指すは東北東!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る