第411話 プレゼンアンドアピール


 よし、これで一通り全員の強化及び願いを聞くことができた、はずだ。そしてこれからはそうだな、皆がどれくらい強くなったのか、を知りたいから皆にそれぞれアピールをしてもらおう。どんな技が使えて、どんな特性が使えるのか、プレゼン&アピールをしてもらおう。


「全員集合!」


 ほう、全員揃ったときの威圧感というか完成度というか、ともかく俺の従魔全体としてみたときのカッコよさがかなり上がった。まあ、一人一人を強化したのだから当然っちゃ当然なのだが、しかし中々カッコいいぞこれは。期待が高まるな。


『今から皆んなには、自分の特技と必殺技を見せてもらう。それらは、俺からの評価や序列に大きく関わってくる。皆、強くなったその証と、これからの意気込みを見せて欲しい!』


 そうだな、従魔になるのが遅かった順から行こうか。


『デトックス、頼む』


『はい、分かりました』


 ん? 語尾にカメって付けないのか? ってかそういえば毒を飲ませている時は付けてなかったし、強化した後も付けてなかったよな? つまりあれはただの戯れだったのか? それともアスカトルを真似したのか、まあそれはいいや口調なんてどうでもいいのだ。


『では、まずは私の特性から説明いたしましょう、私は本来、毒を食べることによって強くなる生物です。つまり、毒をご主人様から沢山頂くことでより強くなることができます。必殺技は【ヴェノメスト】という技を使うことができるようになりました。相手を死にいたらしめるような毒を作り出す技でして、球体状、ホース状、ガス状などありとあらゆる形状に対応できますので、なんなりとお申し付けください。

 余談ではありますが、昔からのクセで気を抜くと語尾にカメと付くことがありますが、決してわざとでは無くまた敬意が損なわれている訳でもないのでご容赦願います』


『うむ、分かった。ありがとう。語尾の方は気にしなくていいから、付けたかったら付けてもいいよ? まあ、取り敢えずお疲れさん、デトのヴェノメスト期待しているぞ』


『あ、ありがとうございますっ、カメ!』


 ん? 付けたいんだ付けたくないんだ? まあ、本人に任せるか。デトは俺らの毒担当としてこれからも頑張って欲しいものだな。


『次、アイス!』


『なーにーごちゅじんさまー?』


 おい、寝ぼけてるのかちゃんと発音できてないぞ? まあいいか。それにしてもアイスにはプレゼンはきついかな? 特に進化もしてないし、取り敢えず今使える必殺技を見せてもらおうか。


『アイス、今使える最強の技を使ってくれるか?』


『さいつよのわざー? わかったー、でもなにかあったほーがいいなー』


 恐らく標的ってことだろう。


「【死霊魔術】、召喚」


 ある程度のMPを込めて発動した。流石にスケルトンには荷が重そうだからな。


 そんな訳で今回、サンドバッグとして選ばれたのが、ハイゾンビのようだ。


『これでいいかアイス?』


『うん! ふろすとふらわー!』


 ビキッビキビキビキビキっ!


 アイスが魔法を発動すると、一瞬でゾンビは氷、体からは無数の白くて綺麗な花が咲いていた。相変わらずえげつい魔法だな。前よりも威力強くねーか? これからもアイスには愛情たっぷり甘々で育てて行こう。


『ありがとう、アイス。もう寝てて良いぞー』


『はーい』


 ふぅ、これで二人か。この先は一体どうなるのやら……

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