第326話 イベント後
ふぅ、やっと大型アップデートが終わったようだ。イベントが終わった後、割とすぐに始まったから、知らなかった俺は急にログアウトさせられてびっくりしたぞ。
まあ、いいか。知らなかったのは俺が悪いしな。それでアプデ内容なんだが、個人的にはあまり関係ないと思ってる。海外サーバーがどうとか、よくわからないし、イベントを優勝という形で終えられた今は、一つの節目として自分を見つめる旅に出たいと思っているのだ。
まあ、かといって俺のすることが大きく変わることはないんだがな。ざっくり言えば戦いに明け暮れる前の俺に戻るって感じだな。初心に帰って秘境を目指したり、強さを追い求めたり、ゲーム攻略をしたり、って感じだな。
だが、秘境といってもなかなか見つけられないから秘境と呼ばれるのであるから、そうそう簡単に見つかるものじゃないのだ。だからゲーム攻略をメインにして、ワンチャンに賭けて秘境を狙いにいくって感じだな。
よし、そんなわけでゲーム攻略と行きたいところなんだが、イベント報酬について確認しておこおう。イベント報酬はどうやら結果に応じてそれぞれポイントが割り振られていて、その中で欲しいものを選択していく、といった感じだ。
例えば強い装備はポイントが高く、安い物では回復ポーションとかが入ってくるな。
そして、俺はと言うと、前にこれにしようとしたアクセサリーに加え、ポイントが余ったためアバターと経験値増加ドリンクを数本ゲットした。
このアバターというのは、いわゆるお化粧セットのような物で結構前からあるようなんだが、今回イベントで多くの人見られたからいちおう変装目的でゲットしておいた。顔まで見られた上に覚えられる事はないと思うが、一応の為だ。それと興味が少しだな。
まあ、最悪の場合は隠遁を使って逃走すればいいだけだし、そもそも杞憂だとは思うんだがな。
よし、イベントの報酬確認はこれくらいでいいだろう。早速通常業務に戻って行こう。通常業務といっても特に何をするかは決まっていないのだが、今回は久しぶりに死のうと思う。
というのも、最近はイベントに集中するがあまり強くなることばかりに意識が向きすぎていたからな。俺の原点である、死に今一度立ち返ろう、というわけだ。
それに、死とはここでしか味わえない感覚だ。これをしっかりと味わう事で自らの生を再確認する。そんな意味もある。物事を捉えるには必ず反対の事象が必要なんだ。朝があるから夜があるみたいなもんだな。
よし、では今回死ぬ方法は、なんと、水中毒である。最近、死ぬ方法をやり尽くしてる感があったから、現実の方で調べてきたのだ。人は水を一度に大量に飲み過ぎるとどうやら死ぬようだ。その仕組みはナトリウムがどうとかいってたけど、まあそこら辺はどうでもいいのだ。ただ死ねれば良い。では早速行くか。
「うぉっ、久しぶりだな!」
そう、ここは俺の原点でもある第一の街の東にある森の中の湖だ。ここは俺が海底神殿を見つけた場所でもあるな。別に広場の噴水や海じゃないのは人目を気にしたからではないぞ?
ん? 今思ったんだが、海底じゃなくて湖底だよな? それとも海に繋がっているのか?
まあ、気にしたら負けだよな。さっさと水でも飲もう。大体どれくらい飲めばいいかを忘れてしまったが、死ぬまで飲めば確実に死ねるだろうから、とりあえず飲み続けよう。まずは一口目、
「あ、」
今、思ったんだがどうやって飲もう。一口ずつ掬って飲むのは大変だろうしな。よし、直飲みするか。湖の縁で寝そべってゴクゴクいくのも考えたが、体勢がしんどいし、土が近くて汚いんだよな。
というわけで湖にダイブだな。
よし、水温は丁度いいな。まずは水面に顔を出してから掬って飲んでみよう。ずっと掬うのはキツいけど最初の一杯くらいはちゃんと飲みたいしな。
ゴクゴクゴクゴクッ
「っかーー! うまい!」
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