第313話 イチゴvsザクロ
なんとか初戦を勝ちあがれましたけど、次の試合はなんと第一回イベント優勝者との試合ですわ。
私は第十回の優勝者ですから順位的には最強と最弱の戦いということになりますわね。ですが、私だって強くなるために訓練したんですのよ? みすみすやられるわけにはいきませんの。どうにか一矢報いて皆をわっと驚かせてやるんですわ。
視界が切り替わりましたわね、どうやらもう試合のようですわ。目の前には私の次の相手がいますわ。その相手は背が高くスラッとしていて、装備もとても似合っていますわ。顔も綺麗で、頭も良くてスポーツもゲームもできるんですわ。
そう、何を隠そう、次の相手は第一回優勝者にして私のお姉さまである、ザクロ姉さまですの! 優秀なお姉様の胸を借りて精一杯頑張りますわ!
「久しぶりね、イチゴ。最近の調子はどう? イチゴにいろんなことを教えていた日が懐かしいわね。あれからどれだけ強くなったか楽しみだわ」
「お姉さまに追いつくために日々頑張ってきましたわ。今日はお姉さまに勝たせていただきますわ!」
「ふふふ、ほんと可愛いわね」
お姉さまが笑った後の言葉はいつも聞こえづらくて、なんていってるか分からないんですの。ただ、悪いことを言っている風でもないですし、いつも聞きませんわ。前に聞いたときにははぐらかされましたし。
「3、2、1、」
生まれて初めていつも一緒にいてくれたお姉さまと戦いますわ。いつもは戦う前から諦める程の差がありますが今回ばかりは勝ちに行きますわよ、それほど頑張りましたから!
「GO!!」
先手必勝ですわ!
「【水魔術】! 採菓汲水!」
このスキルは相手の防御力を無視してダメージを与えるという、水魔術の中でもかなり強力な技ですわ! これなら流石のお姉さまでも……
「ふふふっ、相変わらずね。なら私も、採薪汲水」
「え? きゃっ!」
うぅ……流石お姉さまですわ。私の水魔術に被せるように同じ水魔術で対抗してきましたわ。お姉さまはやはり強いですわ。ですが、だからこそ勝つんですのよ!
「【雷鳴魔法】、サンダーボルト!」
「ふふっ、その技は先程見たわよ? 【大地魔法】、寸土寸金」
「なっ!?」
なぜ? サンダーボルトを含め雷属性は威力はさながら、その速度が一番の取り柄ですのよ? その雷に強い土は防御力は強いのですが、速度に難があったはずですわ。それなのに、技後硬直があるはずのお姉さまの前に一瞬にして小さい土の塊が現れ、お姉さまを守りましたわ。
「ふぅ」
とりあえず、落ち着くんですわ、イチゴ。相手はお姉さま、自分の常識が通用する相手ではありませんわ。だからこそ私も殻を破って、立ち向かうんですのよ!
「流石ですわ、お姉さま! ですが負けませんのよ! 【複合魔法】、雷炎蓬莱!」
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