第301話 第一回イベント優勝者
とうとうこの日が来ましたわね。優勝してからどれだけこの時を待ち望んだことでしょう。妹も無事ここまで来れたようですし、せっかくなら戦ってみたいものです。
それより私が気になる人は、確か第三回の優勝者だったはずの、名前は何でしたか、軽いのか明るいのか、右のような正解のような、そんな名前だった気がしますが、とにかくつよかった印象があるのです。他のプレイヤーは然程注目をしていませんが、彼はかなり強者のはずですよ。
なんせ私と同じ匂いがするのですから。
第三回のイベントを見た時私は衝撃を受けました。まだこんな力を持った人が眠っていたのかと、私も優勝してから驕っていたかもしれない、と。
私は第一回のイベントで優勝しましたけど、正直に言いますとまだまだプレイヤー全体のレベルがまだまだ未熟な時期でしたから、私は運良く勝てただけなんです。たまたま幸先の良いスタートを切れて、たまたま良い狩場を見つけてそこに熱中していたからこそ、他の人たちよりも一歩分だけ強くなることができたのです。
そんな私と違って彼はもう十分周りも強くなってきている中で圧倒的な頭角を現しましたの。何故、皆が注目していないかは疑問ですが、私は恐怖と好奇心を同時に覚えましたわ。
確かに、イベントで優勝した人が抜けていくシステムであるため、一番最初に優勝した私が一番強い、という見方もできます。が、それはその当時、の話であり今現在の話ではありません。そして、私が見ていた中では彼ほどのインパクトを残していた人を見てはいないのです。
今回のイベント、間違いなく彼が強敵になるでしょうね。ですけど、私もあの第三回を見て危機感を覚え、そこから更に強化を重ねましたから、やられるつもりは毛頭ありません。もちろんやるからには勝つ気でおりますので、本気でいきますよ。彼は私と同じ、
ピロリン
ん? 妹からの連絡がきましたわね。今日は妹と一緒にご飯を食べに行く約束をしていますの。私行きつけのフレンチを妹にご馳走する約束をしまして、とても楽しみにしてるようですから遅れるわけにはいきませんね、イベントも大事ですが、それよりもよっぽど妹の方が大事ですので、向かいましょうか。
「お姉さま!!」
集合場所に到着すると、それはそれは可愛らしい自慢の妹に会えましたわ。まあ、集合場所といっても自宅の玄関なんですけどね。
私の妹も私がゲームを勧めると快く了承してくれて今では、このイベントに参加できる程にまで成長してるんですよ。最後のイベントで優勝した時は思わず泣きそうでした、妹の前ではなんとか保ちましたが、あれは反則ですね。
今まで惜しいところまで行ってたのに負けてましたから、努力が実って姉としては誇らしい限りです。
さて、話したいことはまだまだ尽きませんが、可愛い可愛い妹も来たことですし、二人水入らずでイベント前夜祭を楽しみましょう。
私も第一回優勝者として、本気で勝ちに行くんですから。
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