第298話 支配


「次は魔力操作と闘気操作、魔闘練気じゃな。これらはまあまとめるのが妥当じゃろ。特に画期的な何かが生まれるわけじゃないだろうが、ひたすら便利になるだろう。どうだ、選定するか?」


 うーん、確かに強さではなく利便さが上がるのだろうが、それでもかなり便利だな。


「【魔力操作】、【闘気操作】、【魔闘練気】の三つのスキルが統合されます」



ーーースキル【魔闘支配】を獲得しました。



【魔闘支配】‥魔闘練気を完全に制御下におく。魔闘練気の扱いに長け、配分も自由に調節可能。


 おー、確かに地味なまんまだが意外と強くなったな。特に配分も自由に変えられるのはなかなかいい。魔力が弱点の相手には魔力多めで、闘気が苦手な相手には闘気多めで戦えるのは強いぞ。


 それにしても今回の選定は自由度が増すものが多かったように思える。そしてそれらがしっかりと強さに繋がっているからまたいいのだ。自由とは選択できるということで、選択の幅が広がれば多くの相手に対応できるからな。イベントでも役に立ってくれるだろう。


 よし、次の選定も楽しみだな。


「うむ、これで粗方の選定は終了したな。もしお主が自分でしたいという選定が有れば私に言って欲しいが、もうほぼ全てやった気はするから、特に無いと思うが、どうかね?」


 え? 終わり? 魔闘支配で終わり? いや別にそれが不満ってわけでも弱いって思っているわけでもないぞ。ただ、その、最後に相応しいやつ今までもそこそこあったんじゃないか? なぜこれを最後に、そして終わりをこれ程までに唐突にしたんだ?


 まあ、やりたいものがあったら我慢できないタチなんだろうが、それでも順序というものがあるだろう。それに、今まで散々終わらせる雰囲気出したくせに、いざ終わるときはサラッととは、こいつやりよるな。俺にまた来させるつもりなのだろう。まあ、また来るけどな。


「今回は本当にありがとうございました。貴方のおかげでとても強くなることができました。これからもまたスキルを沢山取得したらまた来ますね」


「うむ、必ずまた来るのだよ。スキルを沢山取得してからまた来るのだ」


 こうして、俺の初めてのスキル選定は大成功に終わった。

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