第281話 ロイヤルノート
「ごめんくださーい!」
俺は鍛冶屋に到着した。師匠と別れる時に何か後ろでゴチャゴチャ言ってた気がしたが気にしない。師匠と絡むのは当分いいかな、ここでやることやってからでいいだろ。今はイベントあるし、取り敢えずはそれに集中したいからな。
お店の中に入るとそこには例の如くおじいさんがいたのだがどうやら様子がおかしい。何故か黒いオーラを纏っているような気がする。まあ気のせいだろう。
「爺さん、装備はできました?」
「うむ、これがそうじゃ早く受け取るがいい」
そう言ってお爺さんは俺に半ば押し付けるように装備を渡してきた。やはり何か変だな。パチンコでも負けたのか?
まあ、どうでもいいか。それよりも装備を確認しよう。あ、そうだそうだ、これはハーゲンがメインだったな。ハーゲンの装備を作るついでに俺のものも作ってもらったんだった。ならば当然ハーゲンの装備からみよう。お、どうやら二つあるようだな。どれどれ、
・王家の気品 伝説級
キングミノタウロスの素材を元に作られた防具。王の威厳と風格を宿している。職人の技によって最大限に素材が生かされている。この防具を装備時、スキル【覇気】を使用可能。
・王家の鍵爪 伝説級
キングミノタウロスの素材を元に作られた防具。王の威厳と風格を宿している。職人の技によって最大限に素材が生かされている。この防具を装備時、スキル【ロイヤルスラッシュ】を使用可能。
わーお、普通に強いじゃねーか。なんだよ覇気ってかっこよくね? 俺も使いたい程だ。あ、ろいやるすらっしゅ、は使わなくていいぞ。言うの恥ずかしいしな、俺爪無いし大丈夫だろう。
それにしてもハーゲンでこのレベルとなると俺の装備はかなり期待できるぞ。もう楽しみになってきたな。
・悪魔の装束 悪魔級
悪魔(準男爵)の素材を元に作られた防具。悪魔の禍々しさと毒々しさを宿している。職人の技によって最大限に素材が生かされている。この防具を装備時、スキル【デスノート】を使用可能。この防具の使用者は精神を侵されていく。
【デスノート】‥対象を指定し名前を知ることで相手を殺すことが出来る。相手の死因を指定可能。使用者が死亡時、このスキルで今まで殺してきた相手の死因を全て体験する。
お、おう……これはヤバいな。いろいろとツッコミ所が多いんだが、どこからツッコむべきか。そうだな、まずはコイツのクラスだな、なんだよ悪魔級って、伝説級とどっちが上かも分からねーじゃねーかよ。
まあ、いいや、禍々しさと毒々しさってなんだよ被ってそうだしそんなにかよ。見た目は確かに黒いオーラ出てるけど普通にかっこいいけどな? 黒いのがヒラヒラしてるけどそれは気にしない。
そして、一番のツッコミどころであるスキル、デスノートってなんだよ。厨二病じゃないか、やめてくれよ。確かに技は強いけどな、そういうことじゃないんだよな。これならロイヤルスラッシュの方がまだマシだったぞ?
それに死んだら今まで殺してきた相手の死因を一度に体験するってえげついな。絶対に死なない自信があるなら殺しまくれるけど、それでもし死んだら発狂待ったなしじゃね? これは取り扱い注意だな。
よし、じゃあ武器の方もお願いしとくか!
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