第12話 【番外編・作者のつぶやき 神奈川県局地的グルメ】
※ここでのつぶやきは、本編とほぼ関係がありません。
こんにちは、作者のTOSHI(竹井夙/たけいとし)です。
気がついている読者もいらっしゃるでしょうが、主人公の沙奈が住むA市にはモデルがあります。
「横浜の隣の比較的のどかな、魅力のある街、A市」ということで、横須賀市をモデルにしました。でもあくまでモデルで、A市は実在しない架空の街です。
ただ、「横須賀をモデルにしたんだよ」と言っても、少なくとも私のまわりには、案外、横須賀市の存在自体を知らない人が多かったです。
東京の人でも横須賀を知らない人がいると聞きましたが、本当でしょうか。
なんとなく悲しくなったので、ウィキペディアの一部と、私が伝え聞いた話、調べているうちに発見した、横須賀市のトリビアを書こうと思います。
横須賀について説明するさい、「あー、そうか」と一番よく言ってもらえるのが、幕末に黒船来航の地となった場所だということです。
『黒船来航(くろふねらいこう)とは、嘉永6年(1853年)に、代将マシュー・ペリーが率いるアメリカ合衆国海軍東インド艦隊の蒸気船2隻を含む艦船4隻が、日本に来航した事件。
艦隊は江戸湾入り口の浦賀(神奈川県横須賀市浦賀)沖に停泊し、一部は測量と称して江戸湾奥深くまで侵入した。
結果、幕府はペリー一行の久里浜への上陸を認め、そこでアメリカ合衆国大統領国書が幕府に渡され、翌年の日米和親条約締結に至った。日本ではおもに、この事件から明治維新までを「幕末」と呼んでいる。 』(ウィキペディア「黒船来航」より)
上記にもありますが、この時、艦隊が停泊したのが、江戸湾入り口の浦賀(神奈川県横須賀市浦賀)です。
横須賀は、『戦後はアメリカ軍や自衛隊が駐留する一方、東京や横浜など首都圏のベッドタウンとして発展(ウィキペディア「横須賀」より)』。
ちなみに、私の祖母は浦賀のあたりの出身です。伯父がそちらの墓石を調べたところ、ペリーが来る前に、
『(この家の)幼女が亡くなったのでこの墓に埋葬した』
ということが彫ってあったそうです。
その墓に眠る、もう少しあとの私の遠い祖先は、きっとペリーの黒船を見たことでしょう。
浦賀に連れていってもらったのは随分前の話ですが、それでもうっすらとした記憶があるような気がします。大きな入り江らしいもののむこうに海が見えて、思い違いでなければ、あれがそうだったのでしょうか。
私は遅くに産まれた孫でした。それでも祖母のことはよく憶えています。
そちらの家は駅からそう遠くないところにあるのですが、母が実家に帰る時、途中から電話をすると、必ず最寄り駅まで来て待っていてくれました。
近いんだから家にいても同じなのに、と子供ながらに不思議だったのですが、今、考えてみれば、優しい人だったのでしょう。
私はカルピスを飲まないと眠れない子供でした。そして、母の実家には私が行くと、必ず、封をきっていないカルピスがありました。
あとから気がついたことは他にもあって、祖母は料理が上手だったのだ、ということです。
少なくとも、今の私には確かめるすべがないのですが、祖母の料理は、多分、郷土の家庭料理だったのではないでしょうか。
祖父と祖母は横須賀の人同士で結婚したそうですし、当時の地元の食材、地元で買える食材を使った料理が上手な人だったような気がします。魚の煮つけだとか、あと、他では見たことのない料理があります。
例えば、うちの「おばあちゃんの味」には、サトイモと、イカと昆布を、しょうゆ味で甘辛く煮た料理があって、これは素朴な見た目ながら、非常においしいです。
イカを食べやすい大きさに切って、昆布とだし、サトイモ、にんじんを入れ、酒、しょうゆ、みりん、砂糖で濃いめの味で、水分が少なくなって、サトイモのとろみが出るまで煮るだけなのですけれど、よいイカならなおさら、イカと昆布の強いうまみがしっかりとサトイモにからみ、逃さず、最後までしみじみと味わえて、サトイモのとろみと食感もたまらず、本当に涙が出るほどおいしいのです。
私は冷やして食べるのが好きです。お酒のあてにもいいですよ。うちではよくつくります。
一時、伯母(母の姉)がヨーロッパに住んでいたのですが、そちらに遊びに行ったら、ジャガイモでこの料理を作ってくれて、母とまったく同じ味がしたのでびっくりしました。
まさに受け継がれるおばあちゃんの味。おいしい、と思ったから娘達もつくったんですよね。外国ででも。ジャガイモだったのは、サトイモが手に入らなかったから。あっちの人は、この種のトロミが苦手なんだそうです。
こんなにおいしくて簡単なのに、私はこの料理を他で見たことがありません。料理の名前も知りません。祖母のオリジナル、スペシャリテだったのでしょうか。分かりそうで分からない謎です。誰か知っていたら教えて下さい。
祖母のスペシャリテにはニンジンご飯もあって、遊びに来たよそのおじさんが、
「ニンジンご飯食べさせてくれるっていうから、ベルトゆるめてきたよ」
と言ったこともありました。こちらも油揚げなどを使った素朴な味のはずなのに、母は真似ができないそう。そのレシピ、味の秘密は謎ですが、たくさん作るのがポイントなのだそうです。
局地的な話になった気がしますが、これも横須賀話の一つということで、また機会があったらお知らせさせて下さい。
祖母祖父はもちろんペリーの時には生まれていませんでしたが、その後の話なら、まだありますよ。
最後に、ウィキペディアの「横須賀」からの引用になりますが、私がトリビアだと思った横須賀ネタを書いておきますね。
ガリヴァー、観音崎から上陸したんでしょうか?まさかゴジラも!?
『横須賀が登場した作品
文芸
ガリヴァー旅行記 (1726年、ジョナサン・スウィフト) - 設定ではガリヴァーが日本に上陸した地が観音崎だとされる。
映画
ゴジラ (1954年、東宝、本多猪四郎監督)- ゴジラが日本に初上陸したのは、観音崎近くにあるたたら浜という海岸であるという俗説から。現在、足跡の石碑が残っている。実際にはゴジラが初上陸したのは大戸島という架空の島であり、本州に上陸したのも品川である。』
さらに細かい横須賀ネタ、同じくウィキペディアの「横須賀」より。
『1962年(昭和37年):アメリカのコーパスクリスティ市と姉妹都市になる。
1963年(昭和38年):京急久里浜線(京浜久里浜駅 - 野比駅、現京急久里浜駅 - YRP野比駅)延伸開通。
1966年(昭和41年):京急久里浜線(野比駅 - 三浦海岸駅間)延伸開通。
1967年(昭和42年):2代目「横須賀市歌」(作詞・堀口大學、作曲・團伊玖磨)を制定。
1970年(昭和45年):フランスのブレスト市と姉妹都市になる。』
アメリカのコーパスクリスティ市って、正直いって聞いたことがないですね。どうしてフランスのブレスト市と姉妹都市なんでしょうか。
横須賀市の存在をやっぱり知らない人のために、とどめに、横須賀市「ウィキペディア」より。ではまた。
『横須賀市(よこすかし)は、神奈川県南東部の三浦半島に位置する市。中核市に指定されている。
神奈川県南東部に位置する三浦半島の大部分を占め、市域の東側は東京湾(浦賀水道)、西側は相模湾に面する。東京湾唯一の自然島である猿島も行政区域に含まれる。行政区域内標高の最高点は大楠山の標高242mであり三浦半島の最高峰となっている。それほど標高が高い山はないが、中央部は山間部や急峻な丘陵部(三浦丘陵)が中心で平地は少ない。そのため、古くから海岸線の埋め立てが行われており、現在の中心市街地も大部分が埋立地にある。また、海岸沿いまで山が迫る地形のためトンネルが多いのも特徴で、神奈川県にある道路・鉄道トンネルのおよそ半数が市内に集中している。直下には三浦半島断層群が所在している。
市内の行政・経済的都市機能が集中する東京湾岸には大工場や住宅群がひしめきあうが、相模湾岸には自然が多く残され農業も盛んである。市内中心部から東京都心までは京急本線で約1時間の距離で、JR横須賀線では約1時間10分かかる。また横浜横須賀道路など地域高規格道路が整備されており、車では東京国際空港まで約1時間、東京都心へは1時間15分程度となっている。
東京湾の入口に位置するため江戸時代から国防の拠点とされ、大日本帝国海軍横須賀鎮守府を擁する軍港都市として栄えた。現在もアメリカ海軍第7艦隊・横須賀海軍施設および海上自衛隊自衛艦隊・横須賀地方隊および陸上自衛隊武山駐屯地・久里浜駐屯地や航空自衛隊武山分屯基地などの基地が置かれている。また自衛隊関係の教育施設(防衛大学校、陸上自衛隊高等工科学校)も置かれている。
地形が山がちという地理的要因から、今後大きな人口増加は望めないため、「国際海の手文化都市」をスローガンに「交流人口」(仕事やレジャーでの流入人口)の増加、そして「また来てもらえる街」をめざしている。施策として横須賀リサーチパーク (YRP) 開設やよこすか海辺ニュータウンの開発、高等教育機関(神奈川県立保健福祉大学、陽光小学校跡地への福祉系4年制大学)の誘致、海軍カレー、ヨコスカネイビーバーガー(ご当地バーガー)による街興し、映画撮影や市内が登場するアニメ作品の誘致やタイアップ企画、ヴェルニー公園(1万メートルプロムナード計画の起点)、くりはま花の国、長井海の手公園 ソレイユの丘、横須賀美術館等、観光施設の整備などが積極的に行われている。 』
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