大蛇山伝説

睦月 琳

(1)ツガニと大蛇の物語(ツガニの恩返し)

 昔々、三毛みけの地に三毛中納言師親の娘で、それはそれは美しい「玉姫」という姫君が「ツガニ」を大層可愛がっていました。


 年が流れて姫が、十八歳の春を迎えた時に、三毛の地に不幸をもたらしていた山奥の〝大蛇〟を鎮めるために、人身御供として、さしだされる事になりました。


 そして世にも恐ろしい大蛇に、今にも飲み込まれそうになった時に、巨大なツガニが現れ、大蛇を頭・胴・尾と三つに断ち切りました。

 三つに切られた大蛇が、苦しみ暴れた跡が窪んで三つの池になり、以来この地は〝三池みいけ〟といわれる様になりました。




 現在も三池山の中腹には、水の枯れることがない三つの池があります。

 今日まで「大蛇山」は祇園祭の神事として伝えられています。  

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