499.【後日談4】クリスマスパーティ


□前書き□


嘔吐注意。

食事中の方はお気をつけて。



□□□□□□□□□□□



雑貨屋クローバー横の生活スペースの共有広間にて。

ヨツバ、シャム、コーディ、リオン君、オリバー君、スペンサー君、白猫リリー、ブラディパンサーが集まっている。


そしてテーブルは飾り付けがされており、料理が盛り付けられている。

今日は、雑貨屋クローバーの店員達をねぎらううためのクリスマスパーティなのだ。

若干1匹、店員でない白猫が混じっているが、気にしない。


前世と違ってクリスマスの概念は無いけれど、前世でもキリスト教と関係なくはしゃいでいたから、問題無いだろ。


店番はホムンクルスに任せているので、俺達は飲み食いとおしゃべりに専念して楽しむことにしよう。



「では乾杯!」


「にゃー(かんぱーい)」


「「乾杯!」」



ヨツバの音頭とともに、人間たちが木製ジョッキを持ち上げ、カン、コンとジョッキを打ち付け合う。

子どものジョッキにはお酒ではなくオレンジジュースが入っている。


そして俺達猫用の飲み物は当然、ただの水。

各自の前に、水が並々入った皿を1つずつ置いてある。

リリーとブラディパンサーが、互いの水の皿を見比べる。

中身は一緒だっての。


ヨツバが、部屋の端に置いてある魔道具ピアノを起動する。

演奏者が居なくても自動的にいてくれるのだ。



「みゅ~(とうっ、だにゃ)」



ビャイーン。

リリーがピアノに飛び乗り、不協和音が鳴る。

それに驚いて逃げていく。

何がしたかったのやら。



「美味ッ! 猫さん、この唐揚げ美味ッ!

どこの鶏肉使ってるんですか!」


「にゃー(ドコノ村って所から仕入れた超高級チキン肉だぞ)」


「聞いた事無い村ですねぇ」



俺は材料を提供しただけで、料理は全てシャムが作ったものだ。

なお、人間の料理はテーブルの皿に乗っているが、猫用の料理は、床の皿に乗っている。

人間の皿にはサラダチキンやフライドポテト、ピザやサーモンマリネ等が乗ってるが、俺達の皿には茹でチキンのみ。

いろどりがイマイチだな。



「みゅ~(茹でたチキンよりも、焼いたチキンの方がいいにゃ)」


「にゃー(ならここで焼くとしよう)」



俺は携帯コンロとフライパンを取り出す。

そして生のチキンをフライパンに乗せて火をつける。

材料なら沢山あるから問題無い。


じゅー。


肉の焼ける匂いと音はたまらないな。

俺達猫ズはコンロを囲んで、ジーッと焼ける肉を眺める。



「にゃー(触ったらヤケドするから気をつけろよ)」


「みゅ~(そんなヘマする奴はここには居ないにゃ)」


「グルゥゥ(火を見てると落ち着くのー)」


「何ですかアレ……サバト?」



ヨツバが変な事してる奴を見る目で俺達を見る。

失礼だな。肉を焼いてるだけだろうに。


しばらくして肉が焼けたので、少し冷めるのを待って、ナイフで切り分け、皿に乗せて配った。



「みゅう~(美味ぁああいにゃ~!)」


「グルルル(デリシャスなのー)」


「にゃー(悪くない)」


「そろそろデザートの時間ですよー」



おっ、めのデザートか。

なら俺達はバッタでも焼くか。

俺は四次元空間から、しめたバッタを数匹取り出す。



「クリスマスだからシンプルにイチゴを乗せたショートケーキよ!」


「「おぉー」」


「にゃー(焼きバッタにまぐろちゅるるーんをかけて、カツオブシを乗せてやったぜ)」


「みゅ~(おぉー)」「グルゥゥン(おぉー)」



もっきゅもっきゅ。

うーん、バッタの身がとってもクリーミィ。



「ん? 猫さん何を食べて……おぇぇええ!!」



おいヨツバ。

人の食事を見て嘔吐するんじゃない。


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