476.【後日談4】チョロい
夜の学校区画にて。
今日はネコ科魔獣の授業がある日だ。
なお以前は昼に授業を行っていたが、昼寝する魔獣多数とのことで、授業時間が夜に変更された。
今日の講師予定のネコ科魔獣は結膜炎でお休み。
なので代わりに俺が授業することにする。
「にゃー(こんばんは)」
「「「みゃおー(こんばんはー!)」」」
教室に入ると元気な挨拶を受ける。
ふむ、サボリは16名か。
教室には100以上の子どもネコ科魔獣が居るからって、俺の目は誤魔化せないぞ。
後で補習を受けさせてやろう。
「にゃー(では今日は有毒の食べ物についてだ。
一番前に居るカラクリ猫、知ってる毒の食べ物を挙げてみようか)」
「んみぇー(はい。イカ、タコ、青魚、玉ねぎににユリ科バラ科などの植物などがあります)」
「にゃー(まぁそうだな。基本的に俺達は肉食だ。
だから草や穀物は食べる必要が無い。
あと海で活動せず進化したから海の物にも毒が多い)」
「みゅ~(でも昨日カマボコを食べたにゃ! 何ともないにゃ~)」
「にゃー(人間用に作られたカマボコは駄目だ。イカやタコ等が入ってたり、塩分が多すぎたりして危ない。
リリーはきちんとネコ科魔獣用を食べたから大丈夫だぞ)」
俺は前のスクリーンに図を写す。
「にゃー(この魔獣都市マタタビでは、このようにネコ科魔獣用の食べ物は猫の顔に○が付いたマークが付いている。
ネコ科魔獣が食べちゃ駄目なマークはどんなだったか?)」
「んみぇい(猫の顔が苦しそうで、ドクロマークが付いてました)」
「みゅ~(あと、その商品臭いにゃ)」
「にゃー(雑貨屋クローバーでは、ネコ科魔獣が食べちゃマズイ商品には、食べちゃ駄目マークに加えて、ネコ科魔獣が嫌う臭いも付けている。
だが、他の店や地域、国ではそんなマークも臭いも付けていない場合が多い。なので各自で注意しなきゃ駄目だぞ)」
「みゅ~(お腹が空いたからって、変な物たべちゃ駄目ってことだにゃ)」
「にゃー(では次に各毒物の詳細を解説していくぞ。
玉ねぎは赤血球を破壊してしまうので、息をしても酸素が体に渡らず……)」
詳細を解説し始めたとたん、どいつもこいつも眠そうにしている。
まったく、仕方ないな。
「にゃー(授業の最後の小テストで8割以上とった奴にはご褒美としてO・SA・SHI・MIをやろう)」
「「「んみぉぉおお(うぉぉおおおおおーー! ちゃんと聞くぞー!)」」」
子どもってチョロいな。
彼らの集中力が保たれている間に授業を済ませ、テストは無事全員8割以上をとったので、約束通りO・SA・SHI・MIを配った。
後日、今日の授業をサボった連中は、O・SA・SHI・MIを逃して悔し泣きをしていたそうな。
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