400.【後日談2】【クロスオーバー(メニダン)】大妖精ナンナーン


□前書き□


一応、嘔吐注意。



□□□□□□□□□□□




・ヨツバ視点



ベッドで私は横たわっていた。


動きたくない。


食欲も沸かない。


というか何もしたくない。



「ナンナーン」



私の近くに気配を感じる。

猫さんが心配しに来たのだろうか。



「ナンナーン」



ガリガリガリ。

ベッドをこする音がする。

爪研(つめと)ぎをしているのだろうか。



「猫さん、うるさいです。

ベッドが痛むから、爪を研がないでください」


「ナンナーン」


「ったく」



ちらりと、気配のする方を見る。

そこには黒色の猫さんが……



「って誰ですか?!」


「ナンナーン」


「猫? いや、ドア閉まってるし、一体どこから……」



とりあえず鑑定だ。


――――――――――――――――――――――――

鑑定結果

名前:ナンナーン

Lv:208(75562歳)

種族:大妖精

スキル:【鑑定Lv100】【四次元空間Lv100】

【破壊光線Lv100】【LUK上昇Lv100】【ローリングLv100】

【陰陽道Lv100】【忍術Lv100】【幻想Lv100】

【トリックLv100】【時空超越Lv100】

【経験値100倍】【習得Lv100】

ステータス:

HP 6,900/6,900 MP3,141/3,141

ATK1090 DEF836 MAT970 MDF1832 SPD1497 INT855 LUK248

称号:【ニンジャ】【妖精長(眷属22)】【猫神】


地球に住む猫の妖精で神様。

普段は野良猫に混じって暮らしている。

特技は破壊光線ゲロブラスター

――――――――――――――――――――――――



おや、この前のアカシック・レコード云々の表記が無くなった。

あれは何かの不具合だったのかな?



「というか名前ナンナーンって、何」


「ナンナーン」


「猫さんの居場所、知りません?」


「ナンナーン」


「私の言葉分かります?」


「ゴアーン」



ナンナーンは、猫さんが部屋に置いていたキャットフードを咥え、私に差し出す。

食べろってこと?


袋のジッパーを開けて、一口食べてみる。


ボリボリ。

味が薄い。塩味が足りない。

猫さん、普段こんなの食べてるんだ。


ん? ナンナーンが不満そうな顔をしている。



「何なんです?」


「ナンナーン」


「だから何なんです?」


「ナンナーン」



駄目だ。

会話が出来ない。

いや、会話が成り立つ猫さんの方が例外なのだろうけど。



「にゃー(帰ったぞー)」



猫さんが四次元空間で帰ってきた。


ナンナーンは、てってってと猫さんに駆け寄り、鼻を近づけてクンクンしていた。



◇ ◇ ◇ ◇



・トミタ視点



お土産を買い揃えた後、四次元ワープで土倉花を自宅へと送り、俺はマンションの部屋へと戻った。



「ナンナーン(肉球魔王様だー! 探したよー!)」


「にゃー(地球の猫神様か)」



地球の神様はソフの配下によってふっ飛ばされて、ほとんどが治療中だ。

こいつは戦闘に参加しなかったのだろう。



「にゃー(何か用?)」


「ナンナーン(キャットフード、分けてー! ついでに地球を救ってくれてありがとー!)」



地球はキャットフードのついでか。

まあネコ科の価値観なんてそんなものだけど。


いや、わざわざお礼を言いに来たのだから、一応は感謝しているのだろう。

まさかキャットフードを分けてもらうためだけに来るはずはないし。


俺はキャットフードの袋を持ち上げ……ん? ちょっと減ってる?

気のせいかな?


まあいいか。

皿を用意し、ナンナーンに分けてやった。


俺も一緒に食べよう。

サラサラサラーっと。


ボリボリボリ。

ウマウマ。



「そういえば猫さん。アカシック・レコードって知ってます?」


『鑑定神ソフが管理してるデータベースのことだが、それがどうした』と首輪型PCで打つ。


「鑑定神ソフが不在の場合に、鑑定でアカシック・レコードが使用されるんですよね?

ってことは、普通に鑑定出来る今は、鑑定神ソフが居るってことですかね?」



ん? 鑑定神ソフは魔道具に捕まえているはずだが。


俺は魔道具を取り出す。

うん、居るな。


……中から魔道具を魔改造して、外部と物質・データを送受信する機能を付け、鑑定の仕事をしてるっぽい。

そんな技術があるのなら、とっとと脱出出来るだろうに。



『とっとと脱出すれば良いだろう、とか思ってるんだろ?

俺は無意味な行動はしない主義なんだ。

脱出したところで、現在こちらの配下はほぼゼロ。メリットが無い。

俺はお前と違って敵が多いからな、むしろこの中の方が安全なので利用させてもらう』



ソフから、そんな音声が聞こえた。

コイツの行った行動の罰として、魔道具に閉じ込めてやったのだが全然りてない。

後で、もっとキツイ環境に閉じ込めるか。



「ウッ、ウッ、オェェエエエエ!」


『おい馬鹿やめろうぉぉおおおおおおーー?!』



ソフ入りボール型魔道具に、ナンナーンがゲロ吐いた。

ゲロはソフの元へ転送されたようだ。

ご愁傷様。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る