385.【後日談2】【クロスオーバー(メニダン)】覗き見にゃんこ
□前書き□
チャオちゅ〇るとは一切関係ありません。
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俺は四次元ワープで、土倉花の住んでる部屋にやって来た。
彼女は丁度、爪切りをしていた。
「いや、何当然のように不法侵入してるの?!」
『ちょっと相談があるんだが』と首輪型PCでタイピングする。
「無視か!」
近くにあミャぞんの空き箱があったので入る。
おおっ、これいいな。
四次元空間からお布団を取り出し敷く。
よし、昼寝準備完了だ。
「ゴロゴロゴロ……」
「相談は?! ねぇ、何しに来たの?!
ダンボールで昼寝することの方が大事なの?!」
お、ホムンクルス達が、ソフの野郎の捕獲に成功したらしい。
ポケにゃんのミューチュールが使っていた魔道具を再現したのが、こうも上手くいくとはな。
ソフの入った球状の魔道具が、ダンボールの前に置かれた。
俺はダンボールから出て、それをコロコロ転がす。
ツン、コロコロ。
ツツン、コロロロロロ。
バシッ、コロコロコロコロ……
「にゃー(いやっふー!)」
「人の家で勝手に遊ぶなーー!」
この子、いい反応するぞ。
出会った頃のリオン君みたいな感じだ。
魔獣都市マタタビに来たら、絶対ネコ科魔獣のおもちゃにされるだろうな。
まあ、そろそろおフザケは止めるとしよう。
『で、相談というのはヨツバのことなんだが』とタイプする。
「君、本当に自由ね……」
『メニィ・ダンジョンズ・オンライン』のサーバーが落ちて、ゲームが出来なくて落ち込んでいるヨツバを励ます方法を聞いてみた。
「他の事やらせて、気を紛らわせるってのは?」
『じゃあ、どっか連れ回すか』
「いや、何か作業させる方がいいんじゃないかな」
――――――――――――――――――――――――
バイト先からメールです。
件名:メイド喫茶『ブリティッシュ・ブレックファスト』店長です
土倉花さん。悪いけど、今日の昼、入れる?
今日入る予定だった2人がインフルで休んでさ、ピンチなんだ。
給料弾むから、頼む。
――――――――――――――――――――――――
高い女性の声が読み上げる。
今喋ったのは、土倉花の所持する、人工音声と呼ばれる人工知能だ。
命君の所に居たのと似ているが、向こうは魔獣でこっちはあくまでプログラムだ。
この時代の人たちはほぼ全員、何かしらの人工知能によるサポートを受けて生活しているのだ。
「あ、バイトからのヘルプ要請だ。行かないと」
『今日は学校の授業、無いのか?』とタイプする。
「あれば行ってるし」
ちなみにこの時代、学校での授業は体育、芸術、家庭科、書道、音楽くらいだ。
あとは家で自主学習である。
「んじゃ、私外出するから」
『待て。バイト先で、ヨツバを使ってもらおう。
彼女の気分転換になるはずだ』とタイプする。
「いや、さすがに店長がズブの素人を雇うはずないし……」
◇ ◇ ◇ ◇
ヨツバに気分転換を持ちかけ、土倉花とともに、彼女のバイト先に連れて行った。
「採用」
「えーーーー?!」
簡単なテストを3つほど行い、店長が言う。
メイド喫茶『ブリティッシュ・ブレックファスト』で、ヨツバは無事、バイトを行う許可を得た。
伊達に雑貨屋クローバーの看板娘をしていたわけではない。
むしろヨツバの方が、土倉花より接客スキルが高いまである。
ただ今日の調子はあまり良くないのだが。
俺は衛生面を配慮し、店内に入るのは控えることにした。
店の外で、ソフ入りボールをコロコロ転がしている。
そして時々、店の中の様子をこっそり確認する。
「わー、野良猫ちゃんがお店の中、覗いてるー!」
「撮ろう、撮ろう」
後ろで女子中学生がカシャカシャと、カメラアプリで俺を撮る。
盗撮はいかんよ、盗撮は。
いや、これだけ堂々と撮られたら盗撮とは呼べないか。
ま、それを言えば、俺がやってるのも覗きであり、あまり褒められた行為ではないのだが。
ふむ、ヨツバは一応、きちんと接客しているな。
少しは気が晴れると良いのだが。
「あっ、避けられた」
そこ、俺のしっぽを触ろうとするんじゃない。
お前らだって、いきなりお尻触られたくないだろう。
セクハラで訴えるぞ。
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