353.【後日談2】魔獣都市マタタビの日常
4属性ゴーレム達には、仕事をこなせなかった罰として、しばらく魔獣幹部達の世話をするように言いつけた。
俺と違い、彼らなら甘やかしたりはしないだろう。
能力には問題ないゴーレム達だが、未だに頭が固いというか、言われた事以下しか出来ないというか。
いや、ベヒーモス・ゴーレムみたいに勝手な事されたら、それはそれで困るのだが。
もし改善の傾向が見られないようであれば、潔く破棄するか。
あるいは、頭に人工知能でも入れて改造するとしよう。
俺は昼寝広場で箱詰めになりながらそんな事を考えつつ、のんびり過ごすことにした。
大型のネコ科魔獣達は、日が眩しいので土下座っぽい格好をして寝ている。
中型、小型のネコ科魔獣は、大型ネコ科魔獣の腹に顔を突っ込んで、日よけにしているようだ。
乳を求めて母猫に群がる子猫みたいな光景。
実に微笑ましい。
うむ、今日も平和だ。
◇ ◇ ◇ ◇
・猫のお巡りさん視点
「みゃー、みゃー!(えーん、えーん!)」
弱った。
迷子の子ども魔獣が居るとのことで、中央広場に駆けつけたのだが、子どもは泣いてばかり。
おまけに周りの大人の魔獣は、知らない子だと言う。
どこの魔獣の子か分かるまで、交番で面倒をみることにしたのだが……
「なーう(お巡りさん! 3番地で喧嘩です!)」
「んみゃ!(2番地裏の通路で、大型ネコ科魔獣が昼寝していて通れません!)」
「みゅー(昼寝してたら、アウレネとはぐれたにゃ。どこ行ったか知らないにゃ?)」
こんな日に限って忙しい!
おまけに同僚は産休を取っているから居ないし!
せめてボスが居てくれたら!
「にゃるる!(君! 喧嘩を仲裁してくるから、この子の面倒を見ていてください!
あと君! 近くの魔獣幹部を連れて行って、大型ネコ科魔獣に、通路で寝るなと忠告してきてください!
それと君! アウレネさんなら雑貨屋クローバーの方向から匂いがしましたよ!)」
「なお(了解です!)」
「んみゃう!(近くの魔獣幹部……確か火車さんが居たはず!)」
「みゅー(ありがとにゃ)」
一通りの指示や案内を出し、喧嘩していると聞いた場所へと向かう。
少し大きくなった子どものネコ科魔獣が喧嘩していた。
目に怪我を負っていたり、いたるところに傷が見られる。
「にゃろー!(君たち、やりすぎだ! 今すぐ止めなさい!)」
「みー!(うるせーハゲ!)」
「なー!(これは俺達の問題だ! オッサンは黙ってろ!)」
ハゲとちゃうわ!
ちょっと毛づくろいしすぎて薄くなってるだけだ!
両者に猫パンチを食らわせて黙らせ、病院へと連れて行った。
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