249.金眼夜叉 その1


森にて。

俺はオリバー君の奥さんの鑑定をした。

ふむ、妊娠15週4日、か。


ちなみにエルフ族の出産までの日数などは人間と変わらないらしいが、赤ちゃんは非常に出来にくいそうだ。

そりゃな、俺が観察する限り、排卵周期が年に1回くらいしかないしな。


その話を奥さんにしたら、他のエルフの女性達が詳しく教えてくれと言ってきた。

基本的な性知識と、彼女達の排卵周期も鑑定して教えた。


俺が軽い気持ちで教えたのがきっかけで1年後にエルフ族のベビーブームが起こることになるのだが、それはまだ先の話。



◇ ◇ ◇ ◇



・アウレネ視点



さぁ、今日も森の拡張に努めましょ~。


私は森を出て、砂漠に来ましたよ~。


デザートアプルの種を植え、水をかけて詠唱です~。



「『大地に芽吹け。スプラウト』」



スキルは詠唱した方が効率良く使うことが出来るので、いつも詠唱しているです~。

猫さんは面倒がってあまり詠唱していないみたいですけど~。


30個ほど植えて、帰る前にちょっと休憩です~。

私は地面に座ります~。



「ふ~」


「みゅ~」


「……おやや?」



真っ白な野良猫ちゃんです~。

金色のおめめがチャーミングです~。

私のところにやって来ました~。



「どうしたんです~? お腹空きましたか~」


「みゅ~」


「よかったら、コレ食べます~?」


「みゅ~」



にゃんこさんが『いいから騙されたと思って食えって! 絶対美味いから!』と渡してきたグレイトホッパー焼き。

この子にあげちゃいましょ~。



「みゅ~!」


「美味しいです~? 良かったですね~。

では私はこれで」



砂漠から帰り、森へ向かうです~。

何故か、野良猫さんが私に付いて来てます~、可愛いです~。



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