246.モフ練 その2


ここは猫の集会所。


アウレネは幹部猫の顔を触っていた。



「ここはどうです~?」


「なーん(悪くない)」



次に背中を触る。



「なおー(もう少し下)」


タイプライターで『もう少し下、だそうだ』と打つ。


「……にゃんこさん、これ本当にモフモフの練習になるのでしょうか~?」



何を言っているんだ。


猫に直接、撫でた時の感想を聞く。

これ以上のモフ訓練があるだろうか、いや無い!(反語)



「なん!(そこはやめてくれぃ!)」



カプリ。

モフる場所が悪い場合、幹部猫がアウレネを甘噛みする。



「む~、難しいです~」



5分後。



「なー!(もういいってば!)」



カプリ。



「ええっ?! さっきはOKな場所だったですよ~!」


『もういいってよ』と打つ。



しつこくモフられると気持ち良いを通り越してイライラするのだ。

もちろん猫によってイライラするまでの時間は違うし、猫によってはずっとモフモフしてもOKな子も居る。



『よし、交代だ。次は俺を相手にモフれ』と打つ。


「わ~い」



アウレネは腹を触ろうとする。



「ふしゃー!(腹はやめろって言ってるだろ!)」


「お腹、触らせて欲しいです~……」


『軽く触るくらいなら我慢してやらないでもないが、そこを延々とモフられるとウザいぞ』と打つ。


「しゅ~ん……」



◇ ◇ ◇ ◇



1時間ほど、アウレネは俺と幹部猫相手にモフ練を続けた。

頭、首周り、しっぽの手前の一部が気持ちいいのだ。

ちなみに背中は微妙だ。


さすがにこれだけ練習すれば彼女も要領が分かったようで、他の野良猫相手にもモフって成果を見せてくれた。

モフられている猫は、俺の渡したキラーボアの肉をモグモグ食べている。



「は~、幸せです~」


「みゃー(わーい! 美味しーい!)」



猫もアウレネも笑顔。

良いことだ。

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