190.転生者排出


【スキル付与】修得の条件。

それは、俺が転生者を2人所有すること。

多分神ポイントが関係するはず。



「にゃー(うおー、神ポイントを使えー)」


――――――――――――――――――――――――

コラム購入:10P~

『神の讃美歌特集』:20P

『魔王殺しの武器100選』:10P

『神としての威厳をそれっぽく出す5つのコツ』:10P

……


コラム執筆:10P


神スペース作成:500P~

・範囲強化

・最大所有転生者数増加

・行動リスト追加

――――――――――――――――――――――――


再び現れるAR映像。

神スペース、おそらくこれだろう。

購入。


――――――――――――――――――――――――

購入846P→346P

『初期神スペース(500P)』

――――――――――――――――――――――――


【鑑定】っと。


――――――――――――――――――――――――

あなたの神スペース

広さ:1畳

壁紙:茶室

転生者数:0人/2人

可能行動リスト:【ランダム転生】

――――――――――――――――――――――――


これが初期状態か。

この転生者数ってのを増やせばいいんだな。

えーと、神スペースを使えー。


おっ、茶室に移動したぞ。

小さな畳が敷かれていて、真ん中の穴に茶釜が設置されていて、お湯が入っているみたいだ。


で、だ。


これ、どうやって転生者を呼ぶんだろう?



「にゃー(転生者、出てこーい)」



ポン!


目の前に猫が現れた。

というかこの猫……。



「にゃあ(お久しぶりです、猫又様)」



長老猫じゃん!

そして、俺の神スペースの転生者数が1人/2人になっている。



「にゃー(死者を扱っているのはハーディス様じゃ?

どうして俺の元に長老猫が?)」


「にゃお(私は死んで、今は魂となっているのです。

このままハーディス様によって魂の集合体に吸収されるところを、猫又様が拾ってくださったわけです)」



うーむ、よく分からん。

つまり俺は、長老猫の魂を、俺の神スペースに閉じ込めているということか?



「にゃー(で、この後はどうすればいいんだろう)」


「にゃ(私を別世界へ転生させれば完了です。

私を転生させないならば、再度私は魂の集合体へと向かうことになるでしょう)」


「にゃー(何でそんなこと知ってるんだ?)」


「にゃんご(ハーディス様に、せっかくだから猫又様に転生させてもらいなさいと言われて、説明を受けたのです。

転生させた者が営む生活の質によって、猫又様はポイントなるものを取得出来るそうです。

どうか最後の頼みです、この老体を猫又様のために使ってやってくだされ)」



ふむ、長老猫を転生させればいいのか。

この【ランダム転生】ってのをやってみよう。

うおー、【ランダム転生】を使えー。



「にゃおお(さようなら猫又様。ありがとうございました)」



長老猫は光の粒となって消えた。

どうなったのかは知らない。

ハーディス様も俺の活動を知らなかったみたいだから、転生した者の生活を覗くようなことは出来ないのだろう。


と思ったら、行動リスト追加に【転生者観察】が有った。

修得に神ポイントが1億P必要らしいが。

いやそんなに溜めるのは無理だろう。



◇ ◇ ◇ ◇



・ある山にて



「みゃー(えーん、えーん)」


「にゃー(よしよし、いい子ね)」



産まれたての猫は、何故か悲しくなって鳴いていた。


もちろん涙は出ない。

母猫は舐めてあやしていた。


長老猫は、どこかの世界の山で、猫として転生した。

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