182.魔王ポイント
森にて。
エルフの皆に、木箱を配る。
エルフ族も木箱を作れないことはないが、彼らは釘を作るのが苦手らしく、普段の入れ物は壺を作って使っている。
木箱も持っておけば、便利なこともあるだろう。
特に洋服など入れておくには丁度良いはずだ。
「にゃんこさん、ありがとうございます~」
「人間が作ったにしては、悪くないのぅ。どっこいしょ」
シルフ婆さんは、箱をひっくり返して腰掛けにしてしまった。
まあいいけど。
「それで、バステト様。話とはいったい何じゃ?」
タイプライターで『最近、自分自身を鑑定した結果なのだが』と打つ。
そして、結果を書きうつした紙を見せる。
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名前:トミタ・ミナモト
Lv:76(25歳)
種族:猫
スキル:【鑑定Lv100】【鑑定阻害Lv28】【鑑定偽装Lv35】【四次元空間Lv100】
【ライトLv91】【ライトニングLv23】【捜索Lv47】【ヒールLv100】【スプラウトLv8】
【鍛冶Lv40】【加速錬成Lv100】【変性錬成Lv100】【分離錬成Lv100】【建築Lv15】
【経験値100倍】【習得Lv100】【解毒Lv100】【MP消費軽減Lv33】
【※傾聴Lv25】【※念動力Lv18】【※縮小化Lv4】
ステータス:
HP 2,689/2,689 MP1,885/1,885
ATK495+20 DEF358 MAT471 MDF313+40 SPD620 INT392 LUK117
称号:【王者を討伐せし者】【救済者】【超炭鉱夫】
【エセ大魔導士】【魔王(1020P)】【エセ猫王】
【錬金術の神(3886P)】【森の主】【エセ金眼夜叉】【盗賊殺し】
異世界に転移した茶トラの猫。元は人間だったらしい。
ドラゴン並みの強さと耐性を持つ。
――――――――――――――――――――――――
「はぁ、すさまじい値じゃの」
「わ~」
『【魔王】称号に(1020P)って付いているが、これは何なのか心当たりは無いだろうか?』と打つ。
元魔王のシルフ婆さんなら、何か知っているかもしれない。
「ふむ。ワシはそれを魔王ポイントと呼んでおったな」
『魔王ポイント?』と打つ。
「【魔王】称号を魔王候補から守る、人々を恐怖、混乱させる、などすれば溜まるのじゃ」
『買い物ポイント的なアレか? 溜まると良いことでも?』と打つ。
「買い物ポイントなるものが何かは知らぬが、ポイントを使用したいと念じれば使用できるぞい。
ワシは【魔法破壊魔法】と【ライトニングテレポート】を作ったのう」
なるほど。
魔王ポイントでスキル作成が出来る、そういうことだな。
さっそくやってみよう。
『にゃー(うおー、魔王ポイントを使えー)』
念じてみると、VR映像が目の前に現れた。
えーと、『スキルを作って世界征服! 魔王様のチート生活補助アプリ』だって?
何じゃそりゃ。
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スキル作成:500P~
・系統選択
・使用制限選択
・使用範囲選択
・使用者選択
・その他
スキル強化:500P~
・範囲強化
・威力強化
・消費MP削減
――――――――――――――――――――――――
うーむ、よく分からん。
俺はバツ印を押して、アプリを終了した。
「バステト様! もうスキルを作られたのじゃろうか!」
「見せてください~」
『いや作っていない』と打つ。
早くスキルを作れと二人にせがまれる中、俺は考えた。
チート生活、という文字が入っているから、ひょっとしたらヨツバが詳しいかもしれない。
以前チート云々言っていたし。
この件は、彼女に相談するとしよう。
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