175.結婚式2
マック君とパーシー君が結婚するらしい。
ネルが教えてくれた。
俺の知らない間に進展があったのだろう。
いや、むしろ俺のおせっかいは邪魔だったかもしれないな。
あるいは、結ばれるべくして結ばれたということだろうか。
会場の王の間には、パーシー君の同僚の兵士達。
そしてマック君の知り合い枠としてナンシーさん、ネル、ヨツバ、俺が居る。
「顔は普通、能力も普通、地位は下の中。
あんな男の何が良いのでしょう?」
ヨツバ、ちょっと黙ろうか。
男は顔や地位じゃないぞ。
中身だ中身。
「ホントだよねー」
「そうねぇ」
ネルとナンシーさんまで同意している。
あれ? パーシー君の味方は俺だけか?
頑張れパーシー君、俺は応援してるぞ。
◇ ◇ ◇ ◇
結婚式が始まるまで時間があり、暇つぶしに城の庭をネルと散歩中だ。
「おー、よしよし。今日も可愛いぞネイビィ」
「バウ!」
途中、庭で飼われている子犬を撫でる王様を見かけたが、ネルは興味ないのかスルーした。
◇ ◇ ◇ ◇
「にゃ(よう同士)」
「にゃー(んん?)」
金髪ブロンドの貴族の女性に抱かれた黒猫に話しかけられる。
飼い猫か。
にしても、何でコイツ、ウエストポーチと腕輪を付けているんだ?
「にゃにゃ(おめーも、流行りの大魔導士スタイルにされたクチか?)」
「にゃー(大魔導士スタイルって何だ?)」
「にゃん(見ての通り、小型ポーチを腰に巻き、腕輪を付けた感じだ。
何でも、この大魔導士スタイルの猫にポフポフ触られると、ご利益があるんだってよ)」
何じゃそりゃ。
意味が分からない。
「あら、そこの猫さんも大魔導士スタイルなのね」
「猫さんって、大魔導士だったんだー」
「にゃー(違うぞ)」
俺の称号は【エセ大魔導士】だ。
ということは、本物の大魔導士もこの世界のどこかに居るんだろうな。
女性はクスクス笑った後、城の中へ歩いて行った。
今回の結婚式は王城で盛大に行うということで、いろんな貴族が呼ばれたのだろう。
庭の席でお茶を飲んでいる連中も居る。
カーン、カーン、カーン。
鐘の音だ。
そろそろ式が始まるな。
「猫さん、行こー」
「にゃー」
俺達も城へ入り、王の間へ向かうことにした。
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