145.自宅崩壊


森の自宅にて。それはある朝のことだった。


いつもなら、俺は朝は寝坊して、ゆっくり起きるのだが。


プチプチと、音を立てる俺の自宅。

今思えば、それは紐が千切れている音だったのかもしれない。


俺の自宅は、急にバラリと床が分解してしまった。



「にゃー!(ぎゃー!)」



そのまま自宅は木の上から落下。

バラバラになってしまった。

あああ、俺の、俺の木箱まで壊れてしまった……。



「バステト様! 大丈夫かの?!」


「にゃんこさんのお家、とうとう壊れちゃいましたか~」



まあ突貫工事で作ったにしては、よく頑張った方だと思う。


今度は、本職のエルフの皆さんに頼んで、ウッドハウスを作ってもらおう。


と思って頼んでみた。



「任せてください! バステト様が住んでいたよりも、ずっと快適な家にしてみせますよ!」



頼もしい限りだ。


建てる場所は前のウッドハウスのあった木の所。

俺の手伝い込みで、建築期間は2ヶ月ほどらしい。


その間の寝泊まりは、アウレネの住んでいるテントや、町の店でいいだろう。



◇ ◇ ◇ ◇



結論。俺がどこかのテントに入ると、エルフ達が必要以上にもふもふ触ってくる。

とってもウザい。ゆっくり眠れないじゃないか。


というわけで、静かな寝床求めて、俺は森を散歩することにした。



「キュオオオン!(不思議猫よ、どこへ行くのである?)」


「にゃー(昼寝場所を求めて散歩だ)」


「キュオオオオオン!(いってらっしゃいである。はぁ……)」



フランベルジュは、国王と喧嘩したことを今更ながら気まずく思っていて、ため息をつく。

あれから半年くらい経つというのに、まだ仲直り出来ていない。


一応国王からの手紙は定期的に渡しているが、フランベルジュは返事を寄こさない。

いつまで意地張ってるんだか、やれやれ。


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