136.フランベルの森プラント


夕方、俺は町に出かける。

店の様子見だ。


俺の今のスケジュールは、


1日目:町宿屋で過ごす。

2日目:森で過ごす

3日目:森で過ごす。


のサイクルだ。


店の様子をたまに見るために、今後は


1日目:町宿屋で過ごす。夕方店ちらっと様子見し、宿に戻る。

2日目:朝だけ店でゴロゴロし、昼に森に帰る。

3日目:森で過ごす。


のサイクルで生活しよう。


ちなみに今日はスケジュール的には2日目だ。

しかし、朝はテイム実験を森でやっていたから、代わりに夕方の今、店の様子見をすることにしたのだ。


店に入ると、リオン君が椅子に座り放心状態になっていた。



「……ああ、旦那か。

朝に、旦那の友人を名乗るネルって少女と、学者さんっぽい女性のニコって奴が来たぞ。

それと、見ての通り完売だ。薬を寄こせって奴が居たが、医者じゃなかったから断った。

医者以外に譲っちゃ駄目なんだよな?」


『ああ、おつかれさん』と書く。



また商品を補充しなきゃいけないのか……。

商人ってのは、なかなか大変な仕事だなぁ。



「なぁ旦那、やっぱ値上げしようぜ?

旦那も大変だろ、この量の商品を錬金術で作るの。

無理は続かねーぜ?」


『気遣いありがとう。だが俺は沢山の人に商品を手に取ってもらいたいからこの価格で通すぞ』と書く。



やれやれ。

8歳の少年に心配されるようでは、俺もまだまだだな。


俺が無理するのは別に構わないが、リオン君が言う通り長続きしないだろう。

俺の他にも商品を作ってくれる奴が必要だな。


ヨツバは氷以外作れないだろうし。

ネルとマック君は店以外の仕事があるし。

うーむ。


……あ、居た。

森に、大勢。



◇ ◇ ◇ ◇



森に戻り、エルフに協力を要請しようとした。

だが、彼らは忙しそうにしていたから、やめておく。


シルフ婆さんが協力してくれそうだったが断る。

高齢者に無理させたら駄目だ。



「にゃー(というわけで、協力たのむ)」


「キュオオオオン!(何故我であるか?!)」


「にゃん(だって皆忙しそうだし、お前暇そうだし)」


「キュオオオン!(我は貧乏臭く働くことなどしないのである!

どっしり構えてこその聖竜である!)」


「にゃー(まあ待て。お前が作った商品が町で売れるだろう?

お前の商品の出来が良いなら、感謝されたり、ひょっとすると崇められるかもしれないぞ?)」


「キュオオオン!(我に任せるのである!)」



ちょろい、ちょろい。


あとは【森の主】の称号を使って、森の連中にも協力してもらうのだ。労働対価として、町で購入した食べ物でも分けてやるとしよう。


フランベルの森プラント始動だ。

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