122.ヨツバの注文


次の日。

宿から出て、マック君に惚れている兵士君の家を【探索】し、ちょいと手紙を届けた後、森の自宅へ帰る。


石像の竜、フランベルジュが迎えてくれた。



「キュオオオオオン!(おかえりである!

王からの手紙は?)」



フランベルジュに手紙を渡す。



「キュオン!(おお、1ヶ月後に、我を城に招待すると書いてあるのである!)」


「にゃー(よかったじゃん)」



苦節半年。あきらめずに手紙でやりとりを繰り返し、ついに王城へ呼ばれたフランベルジュ。

メッセンジャーを引き受けた俺も嬉しくなる。



◇ ◇ ◇ ◇



俺はウッドハウスでヨツバの手紙を読むことにした。


なになに?


『店番のために雇う奴隷候補について。従業員は奴隷が良いです。

イケメンエルフかワイルドな獣人、ショタドワーフあたりが好みです。

始めは1人、そのうち増やしましょう』


って何じゃこりゃ。


『奴隷契約の時は、私達の秘密を漏らさないこと、私達に絶対服従であることを最低条件にしてください。

奴隷購入、土地購入については、申し訳ありませんが猫さんから前借してもいいですか?

売上の取り分は、猫さん3私2その他1でお願いします』


どうやらヨツバは、さっさと商売を始めたいらしい。


にしても売り上げの取り分は問題ありだろう。

この方法だと俺がサボるとヨツバに、ヨツバがサボると俺に負担がかかる。

売上の取り分は、各自用意した商品の売り上げを各自、で良いだろう。


また、ヨツバの方法では店員の頭数を増やした場合、結果として店員の給料が減る。

店員の給料は最低賃金を設定すべきだ。

給料は俺とヨツバから折半して払う、みたいな感じか。


手紙には他にも色々と細かい事が書いてあった。

色々と至らない箇所はあるが、それは俺が後で指摘してやればいいか。


ところでショタドワーフのショタって何だ?

【鑑定】っと。


――――――――――――――――――――――――

鑑定結果

ショタ

説明:小さな男の子

――――――――――――――――――――――――


よく分からんが、子どもなんて雇って役に立つのか?

物覚えは良いだろうけど。



「にゃんこさん、お昼ご飯作ってください~」



っと、もうそんな時間か。

アウレネがひょっこり顔を出す。


俺は手紙をポシェットに収納し、アウレネとシルフ婆さんの昼食を作ることにした。

他のエルフ? 勝手に作って食ってるから問題ない。


昼はうどんにするか。

醤油と削り節が手に入ったから、前より美味く作れるぞ。


最初はうどんを2人前作ったが、他のエルフ達が俺も私もとぞろぞろやって来たので、結局22人前も作ることになった。


さすがに彼らも悪いと思ったのか、森で採れた木の実、草木で作った道具などをお礼にたくさんくれた。

……これ、商品になるんじゃね?


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