121.手紙を書く
夢の中にいた俺だったが、悪臭で目が覚める。
部屋に置いてあるおまるでトイレしていたヨツバと目が合う。
「いーあー!」
ヨツバの手から小石状の氷が俺目がけて噴出される。
俺は加速錬成で氷を蒸発させる。
ヨツバが氷で『この変態!』と書かれたブロックを作る。
なるほど、トイレしてる所見られて恥ずかしかったのか。
いや、ガキのトイレとか見ても何も思わないから。
「あら、ヨツバったら、もうおまる使いこなしてるわ。
えらいわねぇ」
ナンシーさんに褒められたヨツバだったが、ずっと頬を膨らませていた。
◇ ◇ ◇ ◇
「はい猫さん、これが今回の王様からの手紙だ」
俺は王様からフランベルジュに宛てた手紙を受け取る。
この文通は、半年前から続いている。
「私も手紙書くー!」
ネルは宿の引き出しから羊皮紙を取り出し、何か書こうとして、ナンシーさんに取り上げられる。
「ネル、これはお仕事で使うから、こっちの植物紙を使いなさい」
植物紙は最近、安価で市場に出回っている。
そのうち羊皮紙にとって代わるに違いない。
「はーい。じゃあ、これに猫さんへの手紙を書くね!」
俺は目の前に居るのに、手紙書いたってしょうがないだろ。
「今日は猫さんと二度寝しました。ママに怒られました。
私はしゅんとなりました。ヨツバは今日も元気にう○ちしてます」
書いている内容は日記みたいだな。
「ボクも祖国の師匠に手紙でも書こうかな。
差出人のところを偽名にして……」
マック君も、自分が元気にやっていることを紙に書く。
ヨツバも、紙に何か書いている。
店番のために雇う奴隷候補?
何じゃそりゃ。
俺も手持無沙汰なので何か書こう。
そうだ、あの兵士にマック君の情報が詰まった手紙を渡そう。
えーと、特技は錬金術、趣味は実験、好きな食べ物はキラーボアのステーキ、あとは……。
俺達は各自好き勝手に手紙を書いていた。
ネルとヨツバの手紙は俺に渡してきた。
後で読むことにしよう。
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