63.加速錬成習得


マック君は門限があるらしく、城へ帰っていった。


夜になったので、俺とネルは寝ることにしたが、



「あーっ、猫さんにおやつ買ってあげるの忘れてたー」



棒読みでネルが言う。

そういえば、お小遣い貰ってたな。



「明日買ってあげるから、猫さん、明日もずっと居て欲しいな」



おやつを買うという口実で俺を引き留めようとしているらしい。

ネルには悪女の才能があるな。


俺は『明日の朝食後すぐに帰る』と書く。


ネルはがっかりするが、「また3日後に来てね!」と言う。

俺は頷く。


そして俺達はベッドで寝ることにした。



◇ ◇ ◇ ◇



翌朝。


朝食を食べて、ネルと分かれ、町から出て森へ入る。


っと、川に罠を仕掛けていたんだっけ。


俺は川まで行って、罠の仕掛け場所から罠を引き上げる。


黒い魚が3匹入っていた。


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鑑定結果

Lv:4(0歳)

種族:レッサーデビルフィッシュ

スキル:なし

ステータス:

HP 10/10 MP3/3

ATK4 DEF2 MAT0 MDF0 SPD5 INT1 LUK1


ただの黒い魚。

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……デビルフィッシュって、日本語訳でタコじゃなかったっけ。


まあいい。

この魚は食えるのかな?


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鑑定結果

レッサーデビルフィッシュの可食判定

結果:可能。毒の生物濃縮などはなく、人間や魔獣などが食する。

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ふむふむ。

鑑定は便利だなぁ。


俺は罠を四次元空間に収納して、ウッドハウスに帰ることにした。



◇ ◇ ◇ ◇



途中で、フランベルジュの墓に立ちよる。

石像が眠っていた。


罠を取り出し、魚を1匹取り出し、お供えしようとしたら石像が動き出した。



「キュオオン……(ああ、不思議猫か。

我はこの通り、人間達から敵視されているのである。

礼を渡すのはしばらく待って欲しいのである)」


『まあ気にするな』と魚を渡した。


「キュオン!(おお!

新鮮な魚である!

ありがたいのである!)」



フランベルジュは魚を食った後、気分が晴れたからダンジョンに潜るのである!

と言って飛んで行ってしまった。

ダンジョンって何だろう?


まあいい。

俺はウッドハウスに向かう。



◇ ◇ ◇ ◇



アウレネは相変わらず森を歩いているのか、居なかった。


俺は以前マック君から貰った本を開く。


錬金術の呪文が後ろにメモ書きされていた。

おそらくマック君のメモだろう。


俺も呪文を唱えたら、錬金術使えたりするんじゃないのか?


よーし、やってみよう。


俺はイノシシもどきの皮を取り出す。

それを大きい壺に入れ、その辺の植物を適当に突っ込み、水を入れる。


俺がやろうとしているのは、タンニンなめしという、皮なめしの方法だ。


現在はクロムを用いたクロムなめしが主流なのだが、それ以前の時代はこのタンニンなめしが行われていた。

植物に含まれる水溶性のタンニンという物質が、皮の腐食を防いでくれるのだ。



「にゃー(『クロノスの加護あれ。加速錬成』)」



よし、成功した。

皮の色が変化したぞ。


タンニンなめしの欠点は、何度もなめし液を取り替えたりする必要があったり、時間がかかったりすることだ。

確か1ヶ月くらいかかるんじゃなかったっけ。


俺はなめし液を取り換えて加速錬成を何回か繰り返し、良い感じに皮をなめすことが出来た。

皮は石の重しを乗せて、その辺に干しておこう。



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鑑定結果

名前:トミタ・ミナモト

Lv:28(20歳)

種族:猫

スキル:【鑑定Lv100】【鑑定阻害Lv3】【四次元空間Lv100】

【ライトLv11】【ライトニングLv3】【ヒールLv5】

【鍛冶Lv4】【加速錬成Lv4】(NEW!)

【経験値100倍】【習得Lv100】

ステータス:

HP 1,920/1,920 MP1,328/1,340

ATK337 DEF287 MAT397 MDF265 SPD473 INT310 LUK104

称号:【王者を討伐せし者】【救済者】【超炭鉱夫】

【エセ神】【エセ大魔導士】【錬金術師見習い】(NEW!)

異世界に転移した茶トラの猫。元は人間だったらしい。

ドラゴン並みの強さと耐性を持つ。

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鑑定結果

【加速錬成Lv4】

説明:錬金術スキル。物体の時間を加速させる。

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鑑定結果

【錬金術師見習い】

説明:錬金術スキルを使い始めた者の称号。

錬金術スキルに消費するMPが軽減される。

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