49.ご同行願えますか?




俺はようやく石壁の敷地内に入った。

この半閉鎖空間が落ち付く。


兵士何人かと勇者3人、マック君がここに居る。

他の連中は周辺警備をしているのだろう。



「ボクがしっかり報告しておけば、こんな事にならなかったのに!

申し訳ない!」



マック君は深々と頭を下げた。

こんな事とは言うが、一体どうして大量の兵士を寄こしたのだろう?


『何か有ったのか?』と書く。


「魔王軍幹部が森に居るというので、討伐隊が派遣されたんだよ」


『魔王軍幹部?』と書く。


「あのエルフよね、きっと。

どうしてあんたは一緒に居たのかしら?」



勇者少女に聞かれたので、『勝手に住み着いて、付いてきやがった』と書く。



「ということは、魔王軍幹部の情報を握っているということでありますか?!

城までご同行願えますか!」



兵士が言う。



「猫さん、どうかボクからもお願いするよ。

こればかりは隠居してるからって見逃されないと思う。

どうかボクらと一緒に城に来てくれないかい?」



マック君が頼むと頭を下げる。

仕方ないな。

ちょっと町まで出かけるか。



「待てお前ら。

この猫はあのエルフをいつでも殺せる立場だったんだぞ?

どうして殺していない? きっと魔王の関係者だからだ」


「いい加減にしなさいよアンタ。

少しは人を信用しなさいよ」


「人じゃなくて猫だろ。

俺は信じないぞ、そいつのことなんか。

それよりも、逃げたエルフを追うぞ。

今度こそ殺してやる」



勇者君は石壁を乗り越え、どっか行ってしまった。



「……救いようがない」


「しょうがない、助けに行きましょうか」



他の勇者少年達も行ってしまった。



「では、ボクらは王城へ向かおうか、猫さん」



俺と兵士達は王城へ向かうことにした。



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