24.迷子の迷子の錬金術師さん
鉱石を大量に四次元空間に収納し、ほくほく顔で俺は家に帰った。
周りは夕方になっていた。
さっそく爪とぎをしよう。
俺は鉱石を取り出す。
ガリガリガリガリ!
キラリーン。
俺の爪は日本刀のように鋭い光を放つ。
いいねぇ。
鉱石で研いで出た粉は四次元空間に収納する。
金属や石の粉は有毒だからな。
あまり吸い込んだら
さて、ひと眠りしよう。
おやすみなさい。
俺は丸まらず、思い切り体を伸ばして寝た。
◇ ◇ ◇ ◇
気配を感じ、俺は目が覚める。
家の外に誰かいる。
「すみませーん、誰かいませんかー?」
俺は家から出て、木の上から人物を眺める。
知らない人間の男だ。……違う、女だ。
メガネをかけた灰色髪の少女だ。
若いな、まだ15歳くらいじゃないか?
装備品から察するに、戦闘を得意とする人間ではないっぽい。
「森で迷ってしまったんですー!
助けていただけませんかー?」
そういうことなら助けてやろう。
町まで人間の足なら4時間程度でたどり着くだろう。
俺は木を降りる。
「にゃー(町に行くぞ。ついてこい)」
「猫さん、君のご主人は留守かな?」
言葉が通じないのは不便だな!
俺は木の板を取り出し、削って『ついてこい』と書いて見せる。
「おお! 知能のある猫さんでしたか!
ボクは錬金術師のマクドーンです。
よろしくお願いします!」
「にゃおん(こっちだ)」
俺が途中で【ライト】を使ったら、何故かマック君は興奮していた。
町の宿屋のナンシーさんでも使える魔法だから、そんなに珍しくはないはずだが。
彼女は町の王城に用があるらしかったので、そこまで案内してやった。
お礼にと、本を1冊もらった。
ありがたい。
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