4.超お年寄り
□前書き□
※虫食注意。
□□□□□□□□□□□
森の中は薄暗い。手入れがほとんどされておらず、
木が無造作に生えている。
さて、何か食べ物はあるかな、っと。
俺は木の幹にジャンプし、あたりを見渡す。
……4mくらい飛んだけど、俺のジャンプ力、
猫だとしても異常じゃね?
まあいい。それよりも食べ物だ。
あの草はヨモギか? いや、トリカブトっぽいな。
――――――――――――――――――――――――
『スキル【鑑定Lv100】を使用しました』
――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
鑑定結果
名前:魔毒草
説明:致死性の毒を生成する植物。山菜採りの素人が
手を出し、死亡する例がある。毒矢に使われたりもする。
――――――――――――――――――――――――
俺があの植物をよく観察しようとしたら
視界にVRビジョンみたいな文字が表示される。
んん? スキル? 何だそれ。
『スキル【鑑定Lv100】を使用しました』
って表示されている。使用者は俺、だよな?
スキルとは日本語訳で能力や技能。
とすると、俺には【鑑定Lv100】という技能があるらしい。
……自分で言ってて意味が分からない。
Lv100とか書いてあるし、まるでゲームの中みたいだな。
俺は自分の前足を眺め、鑑定しろー、と念じる。
――――――――――――――――――――――――
鑑定結果
名前:トミタ・ミナモト
Lv:1(20歳)
種族:猫
スキル:【鑑定Lv100】【四次元空間Lv100】
【経験値100倍】【習得Lv100】
ステータス:
HP 1,370/1,370 MP1,020/1,022
ATK231 DEF264 MAT355 MDF240 SPD397 INT256 LUK101
異世界に転移した茶トラの猫。元は人間だったらしい。
ドラゴン並みの強さと耐性を持つ。
――――――――――――――――――――――――
俺の鑑定結果が出てきた。
トミタ・ミナモトは、俺の生前の名前だ。
漢字で源富太。
そして俺は20歳に若返ったらしい。
元々41歳だったから、21歳も若返った。やったね。
……待てよ? 猫の寿命って10歳前後だよな?
俺って超高齢猫? もうすぐ死ぬ?
まあいい。大事なのは今を生きることだ。
具体的には、今晩のおかずをどうするかという問題だ。
俺は草の影にいるバッタを発見する。
――――――――――――――――――――――――
鑑定結果
Lv:2(0歳)
種族:レッサーホッパー
スキル:なし
ステータス:
HP 6/6 MP1/1
ATK3 DEF1 MAT0 MDF0 SPD7 INT1 LUK1
ただのバッタ。
――――――――――――――――――――――――
幹からバッタ目がけて飛びかかる。
そしてパクリ。
野良猫の主食は虫だからな。当然食べられる。
エビの味がする。
人間はマネすんなよ? 生の虫は寄生虫がヤバいからな。
食べたいのなら焼いて食うんだぞ。
俺はその辺にいるバッタを10匹ほど食し満足したので
穴のあいた倒れている木の中に入り、丸くなった。
おやすみなさい。
□□□□□□□□□□□
□後書き□
レッサーホッパーは弱すぎるため、主人公に経験値は入りません。
ステータス差がありすぎると格下を倒しても経験値が入らない仕様です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます