アイトリアーフォス~膝枕から始まる古代系ダークファンタジー

WTF

ボロ小屋

第1話 エルフか、、、

「大丈夫?」

マサオミは木造のボロい小屋で、膝枕をされていた。

そして心配する声に目を覚ました。

「エルフが、、、言葉がわかる、、、」

柔らかい太ももの上で気を失った。

「起きて?」

そしてまた声を掛けられ、起こされた。

暖かい体温と柔らかい肌の膝枕、下から顔を見上げるとエルフの女性の目から涙がポロリ、20、30cmの距離を落下して、そして頬に当たった。その瞬間それは夢では無いと悟った。涙を流しエルフの女性は心配そうに見てくれている。

何日寝ていたかわからない、起き上がろとするが力が入らない、そのまま倒れてしまった。

「もう」

疲れた様子のエルフの女性は何やらぶつぶつと唱え始めた。

「精霊たちよ、この者に十分な癒しを、、、」

光に包まれて、あっという間に元気になったが、エルフの女性はそのまま寝込んでしまった。

立場が逆転した。

布団など存在しない部屋、とても寒い日だった。

暖炉はあるが薪がない、壁は木の板一枚で隙間がある。

上着を取り、横になっているエルフの女性に掛けて、雪が積もる中、薪を集めに行った。

2、3時間ほど周囲を彷徨い20kgほどの薪を集めた。

「戻りました」

声を掛けるが反応はない、まだ寝ている様子だった。

そっと手を取ると暖かい、死んでるわけではなかった。

すると突然

「わぁ!」と声をあげて起き上がった。

寝たフリをして驚かせたかったらしいが、全く効果は無かった。

「ありがとう」

上着をかけてくれた事を感謝してるエルフの女性

「お礼を言わなければならないのは俺です」

互いにお礼を言い感謝し合っていた。

それからしばらくしてエルフの女性は事の経緯の説明を始めた。

「5日前に森で保護しました」

話によると5日間、ずっと付きっきりで看病されていた。

「なんでそんな事を、、、」

「エルフは見捨てません」

性格上、放って置けないらしく即決だった。

それから自己紹介があった。

エルフの女性の名はアスティミア、いろいろあってこの小屋で生活しているらしい。

「俺はマサオミです」

「よろしくお願いします」

落ち着くまでしばらくここに居てもいいことになった。

相手は美人のエルフ、一線を超えるような真似はしない。

「まだ夫婦ではありませんよ」

釘を刺すように言ってくるが、”まだ”と言う言葉に引っかかっている。

「まだ?」

「結婚の予定など私にはありません」

即時否定、紛らわしい表現を使う。

暖炉のおかげで、すっかり部屋も暖かくなってきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る