第13話 彼女を守るんだ。 でもどうやって?
僕は何と言っていいか分からなかった「此処にいていいよ」と軽々しく言えるはずもない。
だからお母さんが、
「気持ちは分かるけど未成年の子を勝手に預かる訳にはいかないの、それにあなた此処で暮らすことが出来るの、虫も出るしトイレも一応水洗だけど臭うのよねえ」
たいっちゃん少し考えてから、
「ごめんなさい、誓、、、
僕「どうしたの」
「誰かを頼りにするってもうほとんど忘れていた、ミキちゃんには食事とか任せていたけど頼りにするって感じじゃなかったの、兄の所も居づらいだけだったし、ここに居たら後の事は誓に任せちゃおうかなって、自分でも驚いた」
「えっと、でも僕はたいっちゃんじゃなくて美和ちゃんに頼りっぱなし、学校だって美和ちゃんが居るから行けるかなって感じだし」
「じゃあさ二人で頼りあってれば良いじゃない、うわーなんか鳥肌出ちゃった、私こういうキャラじゃないんだけど、、、でもなんか嬉しい」
お母さんが美和ちゃんの手を取って、
「知らず知らず一人で戦って来たのね、弱みを見せない様に親の言いなりにならない様に、自分の親にもお兄さんにも頼りたくないって思っていたでしょ」
「そう、ですね不動産で食べて行けるといっても元は父親が建てたものだし、兄が不動産屋に任せるって言ったら私はクビだし、そもそも学生なんて保護者が居ないと何にも出来ないのに私は一人で生きていく、なんて粋がっていました」
「でもね誓なんてまだまだ子供よ、働いて嫁と子供を食べさせられる様になってやっと一人前、あなたを養える様になるまでまだまだ時間が掛かるのよ」
「分かってます、私一応収入有りますし一緒に住むところの目途も有ります、私誓君を確保していないとダメなんです、一人でいたら何時婿取りの餌に使われるか分かりません「会うだけで良いから」なんて言って向こうが気に入れば私の気持なんかどうでもよくて式の日取りまで即決められてしまう、そんな親です、お願いしますどうか力になってください」
「家から放り出されたんじゃないの」
「そうですけど利用できるものは死人だって利用するような人です、生きている限り切り札の一枚として使われるだけです」
少しの間が開いてお母さんが聞いてきた。
「誓どうするの」
「どうするって、、、僕まだ高校生だから、、、で、でも守らないと、ぼくが美和ちゃんを守らないと、何だけど実際どうやって守ったらいいんだろ」
美和ちゃんは僕の手を両手で包んで、
「大丈夫、誓がそう言ってくれたら私には逃げる場所が出来る、何かあったら逃げてくる、ここに逃げてくるから」
「でもそんなお父さんなら家に閉じ込めたりしないかしら」
「やりかねないけどお手伝いのミキちゃんて私の育ての親なんです、私の武道の師匠でもあるんです、私たち二人を抑え込むには大の大人10人居ても難しいですよ、ね誓」
「う、うん強いのは分かっているけどどれ位強いかまではまだ」
「そうか見せてあげたいけど、本気で暴れたらこのアパートなんてひとたまりもないわ、牢獄にでもブチ込まないと私を監禁なんて出来ないんだから」
お母さんが余計な一言を言う。
「誓浮気は出来ないわよ」
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