第7話 魅惑のメイドさんは殺し屋?
深い緑色のメイド服を着たメイドさん。(どう見ても旅館の女将さんでもコンビニ店員でもないだろう)
お姉さまの言った様に超絶美女、お姉さまも断然美女なのだけどこっちは少女じゃなくて妙齢の女性。
しかし驚きを顔に出すと
「お、おりゃま(おじゃま)しまふ」
噛みまくった。
「ぎゃ!」
お尻をペンチで
ニッコリ笑顔が何故か死神に見えるお姉さま。
ズルズルズル、引きずられて行く僕。
「ドナドナドーナードーナー」
素敵な歌声で見送ってくれるメイドさん、
「かわいい子牛うられていくよー」
人生終わりました。
拷問部屋か座敷牢で鎖に繋がれるのかと思ったらピンクピンクのど派手な大広間。
奥の方まで連行され肩をトンと押された。
なすすべもなく背中から倒れる。
「ドカッ」
ではなかった、「ふさっ」
なんて優しい床なんだろう。
いや違った、そんなに低くないこれはベッド、しかもフカフカの極上ベッド。
「拷問じゃなかった」
「当たり前でしょ、でも気分はそうしたい、四階の屋上から突き落とそうかな」
「いやいやいや、よ、妖怪かと思ってビビったんだ、真っ白だったし」
「どうだか、私の方が妖怪でしょう、良ーく見なさい」
顔を近付けられた、目の前まで。(ち、近いです、僕は
鼻がくっ付きそうな距離、お姉さまの息が掛かる。
顔を離して、
「どうブスでしょ」
プルプル顔を振る。
「かわいい」小さな声で。
「はっ?なーに」
「かわいい」
「うそ、ブスです」
「ほんとに可愛い、お化粧してるより今の方が可愛い」
お姉さまギロッと僕を睨む。
「ブスって言わないとほんとに拷問するよ、握力60キロでタマタマ握り潰す」
「ほんと、ほんとに可愛い、お化粧してたら目がキツイけど今の目は優しくて大好き」
(嘘ではない、ただ命がけなので多少誇張は含まれる)
両手で頬を挟まれたグーと力が入り顔が潰されそう。
(お助け下さい女神様!)
「誓、誓えるミキちゃんより私の方が可愛い」
「も、もちろんお姉さま、たいっちゃんの方がかわいい」
「ばか、そういう時は
手を差し出されたので手を取るとグイっと引き起こされた。
(全くよろけず、握力といいかなりの力持ちみたい)
勢いあまってお姉さまにぶつかる、でもしっかりと受け止められフラつきもしない。
(お姉さま付いて行きます!)
手を離して。
「ハウス」
「ワン」
「その辺座っていて」
その辺と言われても20畳以上は有るだろうこの部屋の中、ソファー、チェアー、絨毯、クッション色々あり過ぎて居場所に迷う、「ハウス」(小屋)は無かった、絨毯に正座。
座り場所を探しているうちにお姉さまは着替えを始めていた、向こうを向いてワンピースを脱ぎ始めた、回れ右。
直ぐに後ろから抱き付かれる。
(お姉さままさか。。。)
僕の胸に回された腕に半袖のTシャツの袖が見えた。
(ホッ)
でも背中に密着する柔らかいもの。
(ヤバい、こんな僕でも一応男ですお姉さま)
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、、、、」
(言葉が出ない)
「今日の所は許してあげましょう、クックックッグフッ」
笑いを押さえられない様だ、真っ赤な顔で笑っている。
(何?)
<コンコン>ノックの音がして「不純異性交遊していませんか」声の後すぐにドアが開きさっきのメイドさんが片手にカップ二つ載せたトレイを載せて入って来た。
「これから良いところ」
お姉さまが近付いてトレイを受取る。
「それじゃあしばらくご観覧させて下さい」
「いやよ、愛する殿方にしか裸は見せません」
「お嬢様だけはお助けします、そちらの殿方も如何ですか」
「仕方ないわね、まだ殺されたくないわ」
姉様がトレイを僕の近くのソファのテーブルに置いて、
「誓おいで」
僕をソファの奥へ押しやりミキさんからかばう様に僕に背中を向けて座る」
(殺される?)
「私達に関わらないで」
「なるべくね」
お姉さまが下手に出ている。
「高校を出たら出て行くわ」
「助けてあげたいけど雇われ殺し屋だから一家惨殺も
「だめ私は家を出てこの子と暮らすの、後はどうでもいい計画実行の前に教えてよ」
「銃声が聞こえたら直ぐに逃げ出して家の外まで追えないから、私が育てた美和だもの、うまく逃げだすのよ、さあエッチの続きをどうぞ」
「そんな事しないわ、裁縫を教えてもらうの」
「あららそれじゃあ私は、誓君ごゆっくり」
「ばちり」音のしそうなウインクをして出て行った。
「いったい何の話?」
「皆殺し」
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