第2話「スタディサプリメント」

僕の名前は桐生海斗きりゅう かいと

今年から高校1年生だ!

高校受験で燃え尽きてもう勉強がみんなに追いつけないよ〜


「なーにそんなだらしない顔してんの?」

そう話しかけてきたのは他県から引っ越してきたクラスのマドンナ、北川栞きたがわ しおり

この前の中間ではなんと全教科満点で1位、スポーツも体力テストではA判定

文武両道な上とても美しく誰にでも気さくに話しかけてくれる完璧超人なのだ


「いやー、勉強が全く捗らなくてね、まだ1年なのにどうしよー

ねぇ、北川さんはどんな勉強方法してるのー?」


「フッフッフ、よくぞ聞いてくれました!

桐生くんになら話してあげても良いけど、これは2人だけの内緒だよ!」


仕草が可愛くて少しドキッとしてしまった


「う、うん!絶対誰にも言わないよ!」


「それじゃあ教えるよ!

実はね、とあるサプリを使ってるの」


「よく広告とかでくる毎月やる勉強のやつ?」


「違う、違う!そっちじゃなくて薬の方のサプリ!

このチラシを見てごらん!」


そこにはサプリメントの詳細が書かれていた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これを飲めば学力up!勉強に困っている人にオススメ!

1日1錠飲むだけでこんなにもの差が!

飲む前→飲んだ後

国語:45点 →国語:89点

数学:40点 →数学:93点

英語:39点 →英語:95点


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こういう風なのが沢山書いてあった

これは是非使ってみたい!


「良さそうだけど高そうだなぁ…」


「学生向けの商品だから年会費無料で月1000円なんだよ」


「そんなに安いの⁉︎」


「うん!だから是非一緒に使って一緒にいい大学目指そー!」


一緒に?

もしやこれって…


「実はね、前から桐生くんのことが少し気になってたんだ…

だからこれからも一緒にいて一緒の大学行けたらなぁって…

ご、ごめんね!変なこと言っちゃったね!今のは忘れ…「俺も北川さんのこと気になってたんだ!だから…僕と付き合ってください!」


「はい…喜んで!」


そこから僕はぐんぐん成績が伸び、部活の剣道でも全国大会を優勝し、北川さんと共に、難関国立大に無事、合格し、卒業後、大手企業に入社して、北川さん…いや、栞と結婚したんだ!

本当にあのサプリがあって良かった!
























「先生!息子の容態は⁉︎」


「運ばれてから一週間経ちましたが、未だ意識が戻らず、植物状態のままです…」


「息子はどうにかならないんですか⁉︎」


「せめて取り込まれた薬の成分さえわかれば…」


そしてテレビの音が聞こえる

『未だ、原因が掴めない◯◯高校集団自殺未遂事件、被害者全員が意識不明の重体のままとなっております。

何らかの原因で一つのクラスが一人を除いて同じ日に倒れたというこの事件は何らかの事件性があると見て、捜査されています。

次のニュースです…』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る