聖徳太子は"蘇我馬子の子"である。

営為つむぐ

はじめに

 2019年、お札(一万円札)の顔として 実業家 渋沢栄一が選ばれた(2024年から変更)。紙幣のデザインは偽造防止などの理由で、約20年ごとに刷新されるが、長らくお札の顔として親しまれていたのは、古代史の著名人 聖徳太子しょうとくたいしだった。

 渋沢栄一は 聖徳太子の没後1300年の法要(1921年)に尽力するなど、2人は図らずも関係性を有しているが、戦前戦後合わせて7回 お札の顔となった聖徳太子は 非実在説があって、昨今 教科書から名前が消されるかもしれないという事態に陥った。

 ちなみに、この非実在説というのは、皇族 厩戸皇子うまやどのおうじは存在したが、8人の話を同時に聞いたという人間離れした逸話を持つような超人はいなかったというものである。

 皇族 厩戸皇子のおくりなが"聖徳太子"であるわけだが、一部では 一皇太子に過ぎなかった彼に何故 かような高貴な諡が贈られたのか疑問が持たれている。また、彼に超人的な逸話を付与したことも些か不可解だ。一体全体どうして、彼にそこまで気を遣わなければならなかったのか? そこには、何か表沙汰にはできないような重篤な秘密が隠されているのではないか —?


 来年(2021年)は、聖徳太子没後1400年目の節目の年(『日本書紀』の記録に準拠)。生前の功績を反映したとされる諡や記録類の違和感などから、時の権力者の都合によって闇に葬られた歴史の真相を炙り出す。

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