第3話
私が助けた元勇者パーティーの戦士マルティンから聞いた話は、吐き気がするほど卑怯で下劣な内容だった。
ベルべド王国の王家が契約を結んでいる守護神、豊穣の女神、肥沃の女神、水の女神と称されるソプデト神を奉じる神殿が、腐敗しているという話だった。
ソプデトはベルべド王家との守護契約をしており、生贄を求めるのは仕方がない。
神力を振るうためには、神性に応じた貢物が必要になる。
表に出ているソプデト神の神性から考えれば、水や食糧を貢物にするのが普通だが、裏の神性があり、それが人命を生贄に求めているのかもしれない。
守護契約をした王家を護った上なら、生贄の量と質によって、他の者に力を与える事も神の自由だ。
本来神とはとても身勝手な存在なのだ。
自分の事を考えれば、それは理解できる話だった。
だからこそ、気に入った人間に自分の力を分け与え、聖女や聖人とするのだ。
表向きは、神と契約した王族だけが、しかも守護神に護られた自国領内だけで魔法が使えるというのが、国内の平民が知っている知識だ。
だが実際には、聖女聖人がいて、更に神々と人間が交わった時代の影響で、先祖返りで魔法が使える人、別名魔族の魔術士が存在している。
それに、私のような半神やクォーター神が、他にもいるかもしれない。
ああ、話をもとに戻そう。
ソプデト神殿の神殿長は、娘を聖女にするために、密かに多くの奴隷を生贄に捧げたという。
その行為を隠蔽するために、神殿が政治利用するために結成させた勇者パーティーに、反対する清廉潔白な神官を次々と暗殺させたというのだ。
そのような卑怯下劣な行為を反対したマルティンを、他のメンバーが協力する振りをして闇討ちしたというのだ。
しかも見せしめのために殺さずに不具にして、毎日暴行を加えていたという。
証言できないように舌を切り落とした。
書状を書けないように全ての指を斬り落とした。
その後で、改めて見せしめにマルティンの身体を損壊したのだ。
左眼を潰し、鼻と左耳を削ぎ落し、左腕と左脚を斬り落としていた。
マルティンを見た誰もが神殿を恐れ、神殿に逆らわないようにするためだった。
私は、一目で魅了されたマルティンを助けて、神殿に復讐することにした。
「勇者パーティ:ドラゴンネイル」
クリスチャン:勇者・金に汚く虚栄心旺盛で女好き。
ヴィクトル:獅子獣人戦士・誇り高い獣人村を追放させら恥知らず。
イオアンナ:聖女と呼ばれる治癒術士・神殿長の父親の不正で聖女に・高慢。
ニコライ :魔術士・大陸連合魔法学院出身を自慢する嫌な奴だが実は退学
マルティン:人間双剣戦士、転生者
:イオアンナでも治療できない重傷を負い全てを奪われ追放
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