第9話 日食
壬申の乱の勝者 天武天皇(第40代)が命じ 編纂された歴史書は、天武の次代 持統女帝(第41代)によって改変されたと私は考察している。かの歴史書は 天武天皇の崩御後30年以上経過した後 完成しており、その最後は、持統が自らの孫に皇位を譲るところで締め括られていた。
この国の最高神は、女傑 持統の上の事績が投影された女神となっているが(「天孫降臨」)、持統によって かの書物が作り替えられたとすると、天武が作っていたであろう神話にも、彼女の手が及んだことが想定される。もともと天武が構想していた段階においては 最高神は 天武もしくはその先祖を投影した神だったのではないか?
ここで気になるのが、皇祖神 天照大神の「天岩戸」神話である。この神話は、一説には日食のことを表したものだと推測されていた。
しかしながら、この時代は、大変 迷信深い時代。天変地異は、為政者の不徳と容易に結び付けられた。特に 太陽の欠ける日食は、天の警告として恐れられた。それが持統が投影された女神の神話に組み込まれていることに私は少なからず違和感を覚えた。
ではこれは、天武の時代に想定されていた神話の名残なのか? されど、天武にとっても日食は忌避すべきものだったはずだ。じゃあ何故、この神話は採用され、そして残されたのか?
ちなみに、歴史的事実を見れば、第33代
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