第4話 『異世界』 知らない世界と知っていた彼女
どこまで歩いたのだろうか。
世界が真っ平らになって、建物が全て崩れ去った。大地は砂と化し太陽が照らし続ける。
毎日のように日照りは続き、人類は地の底へと潜った。
地上は太陽によって砂漠へと移り変わっていく。
反対に海は一層その大きさを広げる。
植物は生まれない。
生物はいない。
全ては数年前の出来事だった。
僕は、地中の中で生まれ、育ってきた。
太陽も、空も、晴れも、雨も雪も雷も昼も夜も星も月さえも、知らずに育ってきた。
そんな僕には、幼馴染の女の子がいた。
彼女と一緒に育っていくうちに、彼女は僕の前から居なくなった。
彼女は冒険に出かけると言って、地上へ出てしまったのだ。
胸に青色のリボンのついた袖無しの短い白ワンピースに、大きな白いこれも、青色のリボンのついた、つば付の帽子をかぶった格好で。
素足のままで出ていってしまった。
本当は追いかけたかった。
けれど、追いかけられなかっ。
未知が怖かったからだ。
そとは、自分の知らない何かがある。
彼女はそれを求めて出ていった。
僕は、それを否定した。
怖いという理由だけで、未知なんて無い外は恐怖でしかないと決めつけた。
そして、彼女は失望した目で僕を見ていなくなり、今に至るというわけだ。
僕は数年間彼女を待ち、結局不安になって地上に出ることにした。
ものすごく重いリュックをもって、重装備をし、万全の準備で外へと出た。
出たのはいいが、一日でへばってしまった。
まず、景色が一切変わらない。
空は青く輝き、雲は白く大きく膨らんでいる。
どんな種類なのかわからないが、
天にまで届きそうなほどの大きな雲があったのには驚いた。
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