この寮がおかしい

天ノ黒月

第1話 寮への勧誘

俺は乙賀翔。高校2年生。1つしたの妹と住み平凡な高校生活をおくっていた。あの時を境に...

幼馴染みの月咲があんなことを言ったせいで平凡な学校生活は奪われた。

まあ、簡単に何がおこったか説明すると、

 ~前略~

「翔は確か妹と一緒に住んでるのだよな?」

「そうだけど?」

「寮に入ろうとは思わないのか?」

「別に二人でも住んでいて十分楽しいし。」

「妹に聞いたのか?」

「いや、聞いてないよ。でも楽しそうにしてるから大丈夫だと思う。」

「それは妹に聞いたのか?」

「聞いてないけど」

「妹に聞けよ。」

「分かった。帰ったら聞いてみるとするよ。」

~帰宅~

家に帰って荷物を

置き、隣の妹の部屋をノックした。

「紅葉いるか?」

こいつは泉水紅葉。苗字が違うのは連れ子だからだ。紅葉が物心つく前に親は離婚し再婚したらしい。俺も小さくて良く覚えていない。

しばらくして準備が終わった。そして寮に向かうことにした。その途中で紅葉が話しかけてきた。

「はい、はい。ちょっとまってね。」

がさごそ、中で何かをやってるようだ。

「良いよー。入って来て。なあに、お兄ちゃん?」

あ、あれ?こいつこんなに可愛かったけ?

「お前、いつもと雰囲気違うな」

「そ、そうかな?」

「何だか、いつもよりかわいいな」

何だかいつもよりエロいな。なんだよ俺、妹に変な感情抱いてるんだよ。

・・・←しばらくの沈黙

「で、で、本題なんだが紅葉は寮に入りたいか?」

「なんで?お兄ちゃんと一緒で毎日楽しいよ?なんで急に聞いてきたの?」

「今日学校で寮に入りたいかって話があったの。で、紅葉は入りたいかって」

「どこの?楽しそうなら入ってみたいな。勿論お兄ちゃんも一緒ね。」

「ん?当たり前だ」

そういえばあいつも寮に入ってなかったような。

「お兄ちゃんどこの寮?」

「わからん。明日にでも聞いてくるね。」

「オーケー。じゃ、兄ちゃんお休み~」

「うん。お休み」

俺は布団に入った。

 ~次の日~

「で、結局どうするの?」

「寮によって決めることにした。妹もそれで同意した」

「そうか、じゃあ来い。」

「ここがまず初めの寮だ」

「ないな」

「だよな。次行くぞ」

「ここがおすすめだぞ。中に入ってみるか?」

「良いのか?勝手に?」

「大丈夫だ。ここは私の寮でもあるから構わないぞ」

「あれ?お前、寮暮らしだったけ?」

「最近引っ越してきたんだ」

「え?お前はここに住んでるのか?」

「ああそうだ」

と、まあ大方こんな感じだ。

こんなこともあったけどとりあいず引っ越しの整理をしていた。まあ、心配してた家はしばらく開けることにした。ま、悩むことなんてないか。みんなでワイワイ出来る方が楽しいだろ。こいつとは長い付き合いだし。

「お兄ちゃん?何してるの?考え事?」

妹が、考え事をしている俺に話しかけてきた

「いや、何でもないよ、心配してくれてありがとう。紅葉は優しいな。」

そう、俺が笑顔で言うと、妹は顔を赤くしながら俯いた。

けど、俺には言葉とは裏腹に不安があった。住み慣れた家を出ての寮生活。紅葉はこの生活に不安は無いのだろうか?俺達はたった二人の兄弟だ。妹は俺が守る

引っ越しの準備を終え、寮に向かっている途中に紅葉が鼻歌を混じりつつ話しかけてた。

「楽しみだね。お兄ちゃん 」

「まあな」

「 ~♬♬~」

紅葉も楽しみにしてたのか、さっきからずっと鼻歌を歌っている。

そんなことをしていたら寮に着いた。

「ようこそ、ここが我が寮だ」

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