俺はメイドに普通を命令します

天ノ黒月

第1話 美少女メイド

ああ~やべそろそろ起きないと学校に遅れる………

「おはようございます。朝ですよ、ご主人様。朝ご飯の用意ができています」

「おは…って…ああそっか俺は君の主人になったんだっけ?」

「はい。昨日に私が性的な理由で買われそうになっていたのを助けてくださったのです。本当にありがとうございました」

そういえば俺は昨日街を歩いていたら変な取引がされているところに入ったらそこには美少女がいた。そこで何やら取引がされていて俺はその会話を聞いてしまったのだ。

〈いくらでこいつを好きにできるんだ?〉

〈こいつは特別で200万だ〉

〈わかった。だそう〉

なんだ?この取引は俺のいた世界とは違うのか?あの子の気持ちはどうなるんだ?

そう思ったら口が勝手に動いて「倍だそう」と言ってしまった。

お金は昨日俺がいた世界から持っていたものがとても高額で売れ金は大量にあったのだ。

「子供のくせがそんな金を持ってるわけがないだろ!そいつを捕まえて売り飛ばせ!少しは金になるだろうよ」

「250万だ。あとは家にある」

「ほぉ~いいだろう。お前らそいつは大事な客だ丁寧に扱え」

「まて、じゃあ俺は450万だす」

うわ~なんか言ってきたよ。どうしよ?まあまだ全然金はあるから平気だけど。

「じゃあ600万だすよ」

「くそーー。今回はこれくらいで許してやる」

何を許すんだよ。あいつ

「それじゃあ30分したら渡しにくるから」」

「お買い上げありがとうございます」

「とりあえず家に早く戻ろう」

この世界では奴隷なんかは当たりまなのか?考えている場合じゃない急がないと。

「はぁー疲れた。600万だ。これでいいか?」

「600万確かにいただきました。そこの女を奴隷にするなり好きにしろ」

「じゃあこいつを連れて帰ります。ほら行くよ」

「貴方様が新しいご主人様ですね」

「まあ、そんなにかしこまらなくていいよ」

「そういうわけにはいきません!何なりとご命令ください」

そういうの嫌いなんだよな…この世界ではこれが普通なんだろうか?俺のいた世界の普通とは違うのだろうか?まあとりあえず普通にしてもらうか。

「じゃあ、普通にして」

「申し訳ございません。普通とは何でしょうか?」

「丁寧語とか使わなで普通に接してもらえばいいよ」

「丁寧語を使わないですか?それはどういう意味ですか?」

「そのままの意味だよ。ご主人様とか言われると照れくさいし」

「ご主人様は私を性的なことをするために買ったのではないのですか?」

「別にそんな理由じゃないよ。君みたいに可愛い女の子が嫌そうにしているのが見ていられなかったからさ」

と言ったら急にその子が大粒の涙を流し泣き出した。

「ああ、え?俺泣かせるようなことした?」

「いえ。そんなことはありません。私を物ではなく人として、いえひとりの女性として見てくれたのが嬉しかったのです」

この世界では人を物として見ることもあるのか?

「じゃあいくつか聞きたいことがあるんだけど良いかな?」

「はい。何なりとお聞きください」

「じゃあ早速聞くぞ。信じられないかもしれないけど、俺はこことは違う世界から来たんだ。信じられないだろ」

「はい。確かに信じられませんが、ご主人様がそう言ってるのですから奴隷はそれを信じます」

「だからさ、奴隷とか言うの止めてよ。俺はそういうのが苦手なんだよ。てか俺の世界にはそういうのないんだよ」

「ご主人様の世界には奴隷はいないのですか?それはとても良い世界です」

「まあ居なかったな。だからそう言うの止めてくれないか?」

「奴隷でないのでしたら、何をするために私を買ったのですか?」

「買った理由はないって見てられなかったからだって」

「それでしたら私のプライドが許さないです」

プライドが許さないって…どうすればいいのだ?

「そうだな~じゃあ家事やってくれない?俺って料理苦手だからさ」

「メイドってことですね。わかりました!誠心誠意やらせていただきます」

って感じでこの子は俺のメイドになった………

あ!自己紹介とかしてないじゃん

「朝ご飯できています」

「2人分作ってくれた?」

「はい。きちんと作りました」

「じゃあ一緒に食べよう」

「そう言うわけにはいきません。メイドの分際で主人とご飯を食べるわけには」

やっぱり。2人分作ってもらって正解だった。どうやって一緒に食べてもらおう…

「そう言うのいいからさ。食べよぉ……じゃあ命令!一緒に食べよう」

「命令なら仕方ないです。急いで作るのでご主人様は先に食べてください」

「2人分あるからこれを食べるよ」

「もしかして私が断ることを計算していって下さったのですか?」

「そうだよ。一人で食べるのは寂しいからね」

いつ自己紹介しようかな…何もしないで食事が終わっちゃうな……

「ねぇ、君」

「はい。なんですか?」

「名前はなんていうの?呼ぶときに困るからさ」

てか俺何言ってるの?女性の名前の下の名前は家族くらいしか知らないのに…

「アリアナ=ワードと申します」

「アリアナ=ワードね。なんて呼べば良い?」

「お好きにお呼びください」 

「じゃあアリアナで」

「はい」

「俺は蓬田慶延(よもぎだよしのぶ)っていうよ。よしとかのぶって気軽に読んでくれて構わないから改めてよろしくねアリアナ」

「そんななれなれしくできるような立場じゃありません。ですがよろしくお願いしますご主人様」

「これじゃあ俺が自己紹介した意味が…」

今日は何しようかなぁ。

「アリアナは今日何するの?」「私はメイドとしての仕事をするつもりです。何か用事がありましたか?」

「ちょっと道案内とかしてほしくてね」

「はい。いいですよ。」

「忙しいよね?」

「いえ、大丈夫です」

「じゃあよろしく頼むよ」

「はい」

今日はアリアナが道案内か…俺のいた世界とどのくらい違うのだろうか?

「支度が出来たら言ってくれ」

少ししたらアリアナが

「できました」

「アリアナって良い服持ってないのか?」

「はい。一応奴隷として扱われていましたので」

「じゃあ洋服も買いに行くか。ダメとは言わせないよ!せっかく可愛いのだからいいじゃない」

「で、ですが…」

否定される前に俺は次の言葉を言った。

「じゃあ俺に可愛い洋服を着たアリアナを見せてくれないか?」

ちょっと苦しいかな?

「はい」

そのように言ったらとてもうれしそうな顔で返事をしてくた。

俺はこの世界でやっていけるのだろうか?いつかは金が尽きるだろうしどのように働けばよいのだろう?

「それじゃあ行くよ!」

そう言って俺たちは家を飛び出した。

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