ネカ魔女たちの8時間戦記 -デカメロン2020-

イーノ@ユッフィー中の人

10万字までのあらすじ

 2020年、新型コロナの世界的流行は日本社会に深刻な影を落とした。法律上、欧米諸国のように都市封鎖を行えず、政府の煮え切らない対応に国民の不満は高まる。


 その陰で暗躍する者。不安を抱える人々の夢に干渉し、悪夢を見せる謎の道化。彼ら「庭師ガーデナー」は強い負の感情を持つ人の夢枕に立ち、夢の中で「魔女狩りゲーム」を遊ぶための仮面を配り歩き、密かに人々の分断と対立を煽っていた。ゲームの獲物となる「魔女」は、同じ夢を見る他の誰か。


 これに抗う者がいた。夢の中であえて魔女に変身し、ハンターたちから人々の安らかな眠りを守らんとするRPG好きのおっさんが。

 就職氷河期世代の上「大人の発達障害」で、幼少期のいじめに始まり社会に出てからも非正規雇用で苦労を重ねた彼は、「イーノ」の筆名で小説家デビューを夢見て自作の小説をネットで発表していた。彼の物語は自分自身が毎晩見る、夢の中での戦いの記録。


 ある夜、イーノのアバター「ユッフィー」は、光る蝶の羽持つ戦乙女エルルの危機を救う。彼女は3年前、イーノが夢で知り合った異世界の巫女。

 エルルが難民として身を寄せる街、氷の都ヴェネローンで冒険者の大量遭難事件が起きたとき。夢で一部始終を見ていたイーノは協力を申し出るも、よそ者は信用できないと拒まれ退去命令を受けていた。そんな状況でも、勇者たちと肩を並べる日のため戦い続けていたイーノ。彼を慕うエルルは、地球での戦いの仲間に加わる。


 庭師が悪夢の力を集める理由は、エルルと同郷の難民が乗る巨大移民船フリングホルニの奪取。ユッフィーたちの奮闘も虚しく侵攻準備は整い、さらには己の心に潜む負の感情を黒き竜として産み落としてしまう。


 翌日、日本では絶望視された感染防止策「一律10万円給付」が唐突に決まる。少数でも訴え続けた者たちの声が国政に届いたのだ。その姿に感化されたイーノはゲーム仲間を誘い、己の影やハンターたちとの決戦の場へ夢を渡る!

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