この世界で一番大切なシゴト!!

柚乃原 暦

0話 私の朝

 朝起きると、私はまず顔を洗います。

 この時、昨晩のうちに井戸から水を汲んでいないと「やっちまったなー」とか思うのですが、今日はしっかり汲んでいたようです。

 昨日の自分、ナイス。


 次に指定の服装に着替えます。

 これは私の仕事着で、正直可愛いか可愛くないかで言ったら……普通?

 特別可愛いわけでも、可愛くないわけでも無く、至って平均的な見た目です。

 まぁ、私の仕事の性質上、仕方のないことなので、あまり不満は持っていません。


 次に髪を整えます。

 ブロンドの長髪は、癖が付きやすくて、セットに意外と時間を要してしまいます。

 正直、切ってしまいたいところなのですが、切る権限が私には無いので、もう諦めました。

 髪をクシである程度とかしたら、後ろにまとめて、ゴムで止めるだけ。

 いわゆるポニーテールですね。


 最後に鏡を見て、最終チェックです。

 おかしなところがあったら大変ですからね。

 右見て、左見て、後ろ見て、前見て。

 念入りにチェックします。

 ……はい、今日もバッチリ。


 ゴーン、ゴーン。


 街の鐘が鳴るのは、お仕事が始まる合図です。

 窓から外を覗くと、皆さんせっせと自分の持ち場に移動しています。

 私もそろそろお仕事に向かわないとですね。


 扉を開けて、外に出ます。

 お仕事の時間も迫っていますが、私は歩いて向かいます。

 正直、走ることはあまり好きではありません。

 私はマイペースなのです。


 私の職場である街の入り口に到着です。

 入り口の近くに立つと、辺りを見渡します。

 どうやら、今日も新しい方がやって来たようです。

 新しい方が入り口に近づくと、私は言います。


 「こんにちは!始まりの街へようこそ!」

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