14.7

 写真は残せても動く姿を残せないのが残念だと強く思うようになった。ここ最近はルッツが自分の指をしゃぶったり玩具に反応したりと活動的になったから、よりそう感じるのかもしれない。ヤンがルッツの手足の運動をさせている時なんて、可愛らしくて堪らないのだ。せめて、俺自身の目に焼き付けておこうと思う。

 動きやすいからか、ヤンは軽い布地のドレスを好んで着ている。次は部屋着の仕立てを頼もうかと話すと、服を何着も仕立てたら贅沢が過ぎると言っていた。ヤンは未だ自分のために金を使うことを躊躇う節がある。ヤンにもそれなりに自由に使える分を渡しているのだが、殆どを貯めているようだ。だからこそ俺は、ヤンに使ってやりたいと思ってしまうのだが。

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