7.7

 今日は星が綺麗に出ていたし、ルッツもまだ遊び足りない様子だったから、少しだけ窓を開けて空を見た。

 この時期でもまだ夜風は冷たい。ほんの少しではあったが、ルッツは新鮮な感覚に興味深そうな顔をしていた。風の冷たさを、冷たいと知ってくれたら良い。


 ルッツを寝かせてから、ヤンと二人で改めて空を眺めた。旅をしていた頃、当主になってすぐの頃もこんな風にゆっくりと夜空を見上げることが出来なかった。こうして考えると、俺自身の成長を実感できる。有難いことに仕事は昔よりも忙しくなったが、それでもこうして時間を作ることが出来るようになった。

 ヤンの手を握ると、目を合わせて微笑んでくれた。やはり俺は、ヤンのことが好きだ。

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