20.6

 ルッツとヤンと、屋敷の中を散歩した。今までのヤンはルッツにつきっきりだったが、俺が世話できるようになってからは家事を手伝うようになった。元々使用人だったヤンだから、良い気分転換になるのだろう。

 ルッツは風や日光に目を細めたり、揺れるカーテンが気になるような様子を見せていた。興味の対象が広がってきている。大きくなって、色んなことに関心を持つ子になるのかもしれないと感じた。

 もしルッツが望んだなら、望むだけの学習をさせてやりたいと思う。机の上で学ぶことが全てではないが、学んだ全ては決して無駄にならない。父が俺に対してそうしてくれたように、俺もまたルッツにそうしてやりたい。本から、自然から、俺達から、たくさんのことを学んで、活かして欲しい。

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