20.5

 ルッツが生まれて来てくれてから、今日でちょうど二週間だ。思えばあっという間だった。

 気持ちよさそうに眠るルッツを見ているだけで、仕事の疲れが吹き飛んでしまう。ヤンの寝顔も見られたら尚更だ。ヤンと話すのももちろん好きだが、安心して眠るヤンを見ると心が落ち着く。


 ヤンのベッドとルッツのベッドの間に座り、眠る二人の手を握ってみた。二人して同時に握り返してきて、つい頬が緩んでしまった。どちらの手もあたたかく、俺からしてみれば小さな手だ。その手に抱えてきたものがどれほど重くとも、抱えていくものがどれほど大きくとも、俺は変わらず二人の安心できる場所であり続けたい。

 ヤン。ルッツ。愛してる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る