15.5

 今日はルッツが寝ている時にしか部屋に行けなかったから、抱き上げることはなかった。起こすのも可哀想だし、何よりルッツの寝顔はずっと見ていられるほど可愛い。元々子供は好きな方だが、自分の子供となるとこうも格別なものかと思う。

 時々きゅっと手を握っているのも、開きそうで開かない目蓋も、一方開いたままの口も。少し早めの寝息までも愛おしく思う。

 起こさないように、ルッツを撫でた。ルッツの頭は俺の手に収まってしまうほど小さいのに、ルッツが生まれてからの一週間と少し、こんなにも幸せをくれるとは。


 ヤンが羨ましそうにしていたから、抱き締めて頭を撫でた。隠していたつもりらしいが、ばればれだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る