17.4
仕事中、庭の散歩をしているヤンが窓から見えた。見惚れるなとテオドールにまた叱られてしまった。しかし、あそこにヘレナが居たらお前だって見惚れていただろうと言ってみれば、顔を真っ赤にして黙ってしまった。未だ幼げな弟のようで可愛い奴だと思う。
ヤンは何をしていても絵になる。あいつが綺麗だからというのもあるのだろうが、所作も美しいから、この屋敷や庭師に保たれた華やかな庭園がよく似合う。出会ったばかりの頃からはだいぶ変化したが、俺はその変化を好ましく思う。元々分かりやすい奴ではあったが、今のヤンは感情が素直に表情に出る。ヤンの目一杯の笑顔は幼く見えて可愛らしいし、穏やかな微笑みは落ち着きをくれる。照れた顔も、泣き顔も 〔この先はインクで塗り潰されている。〕
ヤンのすべてが俺に幸せをくれる。ヤンはきっと、子供と手を繋いで歩く姿も綺麗なのだろう。想像するだけで、幸せでいっぱいになる。子供にも、生まれてくる前からたくさんの幸せを貰った。生まれてきたら、今度は俺がたくさんの幸せを与えたい。子供とヤンが笑い合っている光景を、早く見たいと思ってしまう。
準備ができるまでちゃんと待つから、焦らずに生まれておいで。
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