14.4

驚いた。テオドールとヘレナが結ばれたという。

 いや、以前から二人は仲が良かった。二人が抱き合っているのを見てしまい、テオドールにヘレナのことが好きなのかと聞いてみたら、照れながらも教えてくれたのだ。

 テオドールは俺とヤン、新しい家族のことが落ち着くまで伏せているつもりだったらしい。それよりも、ちゃんと祝わせて欲しい。ヤンに祝いの席を設けようと相談すると、ヤンも自分のことのように喜んでくれた。二人のことは薄々気付いていたが、先輩が幸せになれて嬉しいと言っていた。俺にとってテオは親戚のようなものだ。俺もまた嬉しく思う。


 さて、祝いはどうしようか。あいつにはいつも支えて貰っているし、かと思えば悪戯で驚かされてばかりだから、今度は俺が驚かせてやりたい。ヤンもサプライズは好きだから、きっとわくわくしながら何か考えてくるのだろう。二人の驚いた顔が、今から楽しみだ。

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